同業新車セールスマンが語る! 「こんなセールスからクルマを買ってはいけない」5つの特徴 (2/2ページ)

「悪口」を言う人は信頼できない!

3)聞き下手で押し売りしてくる

 国産車および輸入車を問わず、トップセールスの多くが物腰が柔らかく、とにかく聞き上手。露骨に「今日、契約してくださいよ〜」なんて言葉を発するような人は皆無に近いのです。

 会話のなかでユーザーのニーズを的確に把握し、オススメのモデルやグレード、オプションなど、細やかに提案してくれます。そして、ここぞというタイミングを見極めて商談を持ちかけてきます。つまり、かゆいところに手が届くのです。ときには「それなら○○○○(ライバル車)を選ばれたほうがよろしいかもしれません」と、まさかのライバル車を推してくることも。自分の都合よりも、ユーザーの求めることを優先し、結果としてそれが契約に結びつくのです。

 その反面、ユーザーのリクエストや希望をきちんと把握せず、自分が売りたいクルマを押しつけてきたり、商談中もあきらかに「こいつ、話を聞いてないな」とわかるリアクションだったり……。つねにノルマを達成しなければならないプレッシャーと戦っているので、やむを得ない事情もありますが……。とにかく何でもいいから売りつけようという姿勢が見え見えなのは困ります。

4)明らかに勉強不足

 かつてセールスマンといえば、クルマ好きが就く職業の定番のひとつでもありました。しかし最近ではクルマに対してほとんど、あるいはそれほど興味がなかったり……。完全に仕事と割り切り、生活のために就いているケースも増えつつあるようです。

 興味があることであれば自然と頭に入っていくはずですが、仕事と割り切っている場合、必要最低限の知識しか身につけていないケースもあります。とくに、フルモデルチェンジしたばかりのニューモデルなど、多くのユーザーが興味を示して来店するクルマの知識を身につけていないようなセールスマンは致命的です。

 モデルによっては「ゴルフバッグが何個収納できるか」や、「両側電動スライドドアを装備しているグレードは?」といった具合に、多くのユーザーが重視しているポイントがあります。これらの情報はセールスマン向けの販売マニュアルでも強調されていることが多く、こういった肝心な情報ですらあやふやな答えしか返ってこないようなセールスマンは避けたほうが無難です。

5)ライバル車種を露骨にディスる

 新車セールスマンの販売マニュアルには、ライバルとなる他メーカーのモデルが必ずといっていいほど紹介されています。4車種くらいが多いようです。自社のモデルの優位性と具体的な理由(または装備の優位性などのポイント)とともに、アピールポイントが強調されており、その情報をベースに自分なりに咀嚼すればセールストークとして使えるような構成になっています。

 とはいえ、ありとあらゆるポイントがライバル車より優れていることはまずありません。何らかの弱点や劣っているポイントが存在します。多くのユーザーがネットなどで予習をして、そのウィークポイントを事前に勉強しているケースも珍しくありません。

 問題はここからで、大事な商談の場でライバル車種を露骨にディスる、いわゆる「悪口」をいうセールスマンは性格的に難ありのケースがあります。つまり、ユーザーがいないところで悪口をいっている可能性があるので要注意です。

まとめ:やっぱり最後は人柄?

 クルマを売る立場の方へヒアリングしてみて感じたことは「どうせならば安心してクルマが買えるセールスマンがいい」「信頼できるセールスマンがいい」という、至極シンプルな答えが多かったことです。

 クルマという高額な買い物だからこそ、セールスマンの人柄で決めた(決めたい)! という人が多いことは間違いなさそうです。良くも悪くも、裏側を知る同業者だからこそ、人間性や信頼性を重視しているということでしょう。

 それと、直感的に「この人は信頼できる」とか「この人は何だか不安」と感じたことって案外当たっていることが多いのです。

 迷ったときは「ご自身の直感を信じること」。それもとても大事で、重要な判断材料となりうるようです。


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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