ついに悲願の打倒フリードなるか? 新型シエンタがフリードよりも優位な点をとことん探ってみた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ホンダ・フリードとトヨタ・シエンタは5ナンバーサイズのコンパクトミニバン

■2022年8月に3代目となる新型シエンタが登場した

■今後のライバル対決の行方を占う

3代目となる新型シエンタが登場!

 ホンダ・フリードとトヨタ・シエンタ。この5ナンバーサイズの「ちょうどいい」コンパクトミニバンのライバル関係は、たとえばステップワゴンとノア&ヴォクシーより熾烈だ。というのは、ステップワゴンが属するMクラスボックス型ミニバンには日産セレナ、微妙にクラスは違うものの三菱デリカD:5もあり、いわば三つ巴、四つ巴!?(スズキのOEM車のランディもあるが)の戦いになるのだが、国産コンパクトミニバンはフリードとシエンタしかなく、まさにどちらかを選ぶしかないクラスだからである。

 現時点で新しいのは、もちろん2022年8月に3代目となったシエンタだ。現行フリードはその2代目で、2016年にデビュー。すでに6年が経過したモデル末期であり、来年にもフルモデルチェンジが予想されているタイミングである。とはいえ、今、コンパクトミニバンを買うのであれば、デビューしたてのシエンタか、2022年6月に一部改良を行った熟成のフリードとの比較対決(検討)となる。ちなみにシエンタが新型になる前の2022年8月の乗用車登録台数ランキングでは、フリード6位、モデル末期のシエンタが17位(7月はフリード9位、シエンタ29位)だった。

 フリードの特筆すべき点は、1.5リッターガソリン、HVのふたつのパワートレインを持つのはシエンタ同様だが、シエンタよりクリーンなエクステリアデザイン、3列シートの2列目キャプテンシートの用意、そして3列シート6/7人乗りのフリード、および2列シート5人乗りのフリード+、さらに両モデルともにクロスターというクロスオーバーモデルを揃えていること。

 一方、シエンタの3列シートは先代、新型ともに2列目席はセミベンチシートのみ。新型のエクステリアはいきなり無塗装のプロテクトモールを随所に配したギヤ感、クロスオーバー感あるものに大変身。プレーンなエクステリアデザインを持つ仕様は存在しない。また、現時点でフリードクロスターに相当するクロスオーバーモデルもまた用意されていないし、先代の2列シートはFUNBASEと呼ばれていたが、新型ではそのネーミングを営業的理由から廃止。シエンタの2列シート仕様としている。

 ところで、フリードと先代シエンタの比較では、シエンタはスライドドア部分のステップ高330mmという低さ(フリードは390mm)、3列目席の居住性、2列目タンブル格納によるシートアレンジによる3列目席の乗降性で優位に立ち、走ればロールはそれなりに大きかったものの、前席のソファ感覚のかけ心地+ふんわりとした女性好み!? の乗り心地が特徴だった。ただし、ぎらついたインパネの質感、およびインパネと前席の着座位置の関係が不自然だったことが惜しまれた。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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