窓がなかったりドアが見えなかったり公道走ってたら2度見必至! ナンバー付きが違和感しかない市販車4選 (2/2ページ)

個性的な仕組みが修理の際に仇となったケースも

テスラ・モデルX

 自由の女神が見守ってる国だからか、テスラもだいぶ自由な発想でモデルXをリリースしたのではないでしょうか。だいたいSUVを名乗っていることからして自由すぎる気がしないでもありません。もっとも、バッテリーをシャシー下面に集中配置したおかげで車高は高くとも重心は低く、前後モーター駆動なので室内にドライブトンネルなど突起もない。しかも、電動で開閉するリヤドアは「ファルコンウイング」と呼ばれ、2ヒンジの中折れ機能付き。センサーでもって開き方を自動で選ぶなど頭良さげな装備なのです。

 これ、ショーで発表した時は「もっさりしてやがんの」と思われた方も少なくないと思いますが、ほぼステージ上のままのスタイルでリリースされ、しかも走ってみれば「チョッ速!」。既存の自動車メーカー、そのほとんどが「してやられた!」と歯噛みしたのではないでしょうか。オートパイロットなるドライバーサポート機能も全車標準装備するなど、スタイルだけでなく機能までも「未来のクルマ」になっていたというのは喝采もの。

 もっとも、オートパイロットには不具合も散見できるのですが、そこは自由の女神に免じて許してあげるのがよろしいかと。

BMW Z1

 Wikiで知ったのですが、Z1の開発を指揮していたのは後にポルシェAG社長になったウルリッヒ・ベッツ博士だったのですね。彼は社長という役職からは想像しづらいほどスポーツカー好きで、ポルシェに移籍してからはヴァイザッハのテストコースに入り浸る時期もあったと噂されています。実際、911の運転も上手だったみたいです。

 そんなベッツ博士ですから、フランクフルトで発表後すぐに3万5000台もの受注があったことには大喜びしたに違いありません。実際の生産台数こそコストや製造ラインの都合から8000台となりましたが、一般道での強烈なインパクトに変わりはありません。ちなみに、Zはドイツ語のZukunft(未来)から名付けられているというのもコンセプトモデルっぽい成り立ちではありませんか。

 また、Zアクセルと名付けられ、フランクフルトでスケルトンを見せていたリヤサスペンションですが、これは後のモデルにも採用されることになるBMW初のマルチリンク。「未来」をコードネームに使うだけあって、将来的な技術のショーケース的な役割も担っていたということでしょう。

 さらに、コンセプトモデルのまんまって感じなのがボディ下方向に格納されるドア。しかも、ドアが収納されたまま走ってもOKというバイエルン的おおらかさには世界が度肝を抜かれたはず。もっとも、これがよく壊れたようで、BMWディーラーでさえお手上げだったとか(白金にかつて存在した市井の町工場がちゃんと直してましたけどね)。

 もちろんアルピナ版も限定66台ながら生産されました。いつも通り2.7リッターまでスープアップが施され、0-100km/hがオリジンの8.4秒から7.1秒へと快速化されたほか、最高速が228km/hまで伸びたとのこと。面倒くさそうなクルマではありますが、やっぱりこらえがたい魅力に満ちている1台といえるでしょう。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
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DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
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