ニッポンの「かわいい文化」は偉大! キュン死不可避のキュート沼な国産車5台 (2/2ページ)

創意工夫を詰め込んだ結果「かわいい」の塊に

スズキ・マイティボーイ

「エル・カミーノが欲しいよぉ~」と、孫に泣きつかれたじいちゃんが「なにそれ?」とカタログ覗いたらピーンと閃いちゃったわけですよ。じいちゃんの名は鈴木修、ご存じ元スズキ自動車の社長その人。で、閃いた修社長が「これ、作ろうやん」てな陣頭指揮で出来上がったのが何を隠そう、マイティボーイ! 名車セルボのリヤセクションを大胆にカットして、本家エルカミよろしくピックアップトラック化した「かわいくて涙出そう」なクルマです。

 孫とじいちゃんのくだりはもちろんフィクションですが、商品開発の要となった「ピックアップトラック=かわいい」というのはいまだ通用するロジックではないかと。しかも、見た目は旧規格サイズですから、かわいさも二乗! 強気な市場価格が、それを雄弁に語っています。

ダイハツ・ミゼットⅡ

 確信犯的な「かわいい」に定評あるダイハツですが、ミゼットⅡは想像できない狭さでも運行できる商用トラックという商品を作った結果「かわいい」となったレアな1台。訳知りな評論家あたりが「ミニマルデザイン」などと呼ぶひとり乗り、そして軽規格をはるかに下まわるサイズなど、ハードとしてもじつによく考えられているかと。そこへもってきて、縦長フェイスに丸目ランプというどことなく「働き者のロバくん」といったニュアンスですから、かわいくないはずがない。

 調べてみてわかったのですが、あとから2人乗り、AT仕様というのが追加されていてですね「ははぁ、ひとりで配達するのがツラタンなじいちゃんが『ばあさんも乗せてケロ』かなんかダイハツに陳情したか」と納得した次第。また、ご承知のとおり同社には初代ミゼットという3輪トラックが存在しました。強引ながら、これを旧ミニに例えると、ミゼットⅡはさしづめ新型ミニ(笑)。じつはレトロ転じて「かわいい」となす手法は、ダイハツにとってお家芸のようなものかもしれません。

スバル・ヴィヴィオ T-TOP

 カリフォルニアにはゴルフ・カブリオレ、ニースにはフィアット500ビーチカーが似合うように、表参道でキャピキャピするのが「超かわいい」ヴィヴィオのT-TOP、いわゆるタルガトップでしょう。これは、フェラーリが創立40周年を祝ってF40をリリースしたのと同じく、スバルブランド40周年を記念して作られた堂々3000台限定のスペシャルモデル。

 軽自動車のオープンモデルは数あれど、しっかり4人乗りというのはレアな存在。しかも、ルーフのアレンジがフルオープンからTバー、ルーフのみのオープン、リヤウインドウのみのオープン(しかも電動)まで4通りものアレンジができるというのはピニンファリーナも腰抜かすパッケージにほかなりません。

 もちろん、リヤシートはミニマムもいいところですが、窮屈を苦にするどころかあえて楽しんでるJDでも乗ってたら、キュン死マニア続出もいいところ。スバルの底力、見直しますよね。さらに、3000台さばいたあとにはお得意のスーパーチャージャー搭載の「GX-T」を1000台限定で追加するなど商売上手な一面も! 赤いボディはまだしも、北関東テイストあふれるグリーンなんて一歩間違えれば「ブサかわ」になりかねないスバルのセンスそのもの。だが、それが「かわいい」。

 こうしてみると、日本の「かわいい」マーケティングというのはもしかしたら普遍的な強さにみちているのかもしれません。惜しむらくは、軽自動車が滅多なことでは輸出されないこと。アニメだけにクール・ジャパンを独占させるのでなく、かわいい軽自動で世界をリードするというのも楽しげではないでしょうか。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
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DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

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