話題の新型クラウン! ぶっちゃけ乗ってどうでした? 【ド直球インプレ まるも亜希子編】 (2/2ページ)

エンジンサウンドが印象的!

 まずは、乗降性の良さ。ヒップポイントがこれまでより80mm高い630mmとなったことで、腰を深く曲げずに乗り降りがしやすくなっています。視界も開けており、遠くまで見通せる安心感がアップしたと感じます。ここはクロスオーバーとなった恩恵でもあるところ。

 でも、走り出すとこれまでのセダンとなんら違和感なく、背が高くなったことなど感じさせない一体感を手に入れているのです。今回試乗したのは2.5リッターのハイブリッドモデルで、のちに2.4リッターターボモデルが追加される予定のため、試乗前には静かさがウリなのだろうと思っていたのですが、アクセルを踏み込んでいくと積極的にエンジンサウンドが響いてくることが新鮮でした。

 じつはこれも、クラウンとしての新たな挑戦で、考え方や狙いをこれまでとはガラリと変え、「音を聴かせる」方向性になっているのだそう。現時点では、「うるさい」という人と「いい音」という人が半々くらいだということでしたが、音も含めてリニアな走りの気持ちよさを作り上げていきたいという心意気はとても好印象です。

 シャシーはFFベースのGA-KプラットフォームをAWD化しており、駆動は100:0から20:80の間で前後の駆動を制御。リヤはマルチリンクサスペンションで、4輪操舵システムのDRSを全車に装備しているのですが、これらがとてもいい仕事をして走りがスッキリと爽快。ボディサイズの割には小まわり性能もわるくないので、予想以上に扱いやすいと感じさせてくれます。FFベースのDRSはトヨタでは初めての採用とのことですが、クルマの向きが変えやすいことや、フロントタイヤの依存度が減るといったメリットがあるとのこと。「FRじゃなきゃクラウンじゃない!」なんて拒絶反応を示している人も多いかもしれませんが、乗ってみれば意外に納得してもらえるような気がします。

 正直なところ、「クラウンという名前でなければ、もっとすんなりと受け入れられていたのだろうな」と思ってしまいますが、きっと何年か経てば、「これが令和のクラウンだ」と自然に馴染むようになるポテンシャルを持った1台だと感じています。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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