現在はスカイラインのみ! かつて勢いのあった日産のセダンモデルを振り返る (2/2ページ)

当時高かったセダンモデルが安値で買えるチャンス!

中古で買える、日産のセダンをご紹介

フーガ

 2022年8月までラインアップされていたフーガ。販売されていたのは2代目モデルとなります。

 2代目はデビュー時に2.5リッターと3.7リッターV6エンジンを用意していましたが、1年後に「1モーター2クラッチ式」ハイブリッドユニット搭載車を追加。

 フーガは全長4945mm、全幅1845mm、全高1500mmと堂々たるボディサイズを誇るプレミアムカーで、最上級グレードにはリヤシートにパワーリクライニングやシートヒーター、電動サンシェイドなどを装備した後席重視のVIP仕様も用意されていました。

 また2015年のマイナーチェンジでフロントグリルにインフィニティバッヂが装着されたこともトピックスといえるでしょう(ただし2019年の改良で日産のエンブレムへ再変更)。

現行の中古車相場

 2代目フーガの中古相場は40〜510万円。100万円以下で購入できる車両も見受けられますが15万km以上走行した2009〜2010年式のモデルとなります。

 またハイブリッド仕様は相場が高めでガソリンモデルと比較すると同条件で20万円程度の価格差があるようです。

 個人的にオススメしたいのがインフィニティグリルを備えた2015年〜2016年式の370GT。比較的タマ数が多く200〜230万円くらいで好条件の車両を探すことが可能です。

フーガの歴史

 長年、日産の高級セダンとして君臨したセドリック/グロリアの後継モデルとして誕生したフーガ。初代が2004年にデビューし、2009年にフルモデルチェンジで登場したのが8月まで販売されていた2代目です。

最終バージョンのスペック

 フーガのパワーユニットは2.5リッターV6、3.7リッターV6、そしてハイブリッドの3タイプが生産終了時までラインアップされてきました。

 デビュー時から大きく変わったのが先進安全装備。2019年に行われた仕様向上により前方の車両や障害物、さらに静止した歩行者も検知し、衝突被害の「軽減」や、追突の「回避支援」を行う「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」を全車標準装備。

 また、障害物を検知し、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違いによる障害物への衝突防止を支援する「踏み間違い衝突防止アシスト」などの先進安全機能も全車標準装備しました。

シーマ

 フーガ同様、2022年8月で生産を終了した日産の高級セダン。

 最近まで販売されていたモデルは2012年から販売を開始した5代目となります。

 シーマはフーガより上級車種に位置づけられ、プラットフォームはフーガをベースにホイールベースを延長。フーガが2900mmなのに対して3050mmと3mを超えるホイールベースとなったことで広大な後席スペースを確保しました。

 パワーユニットは全グレードに「1モーター2クラッチ式」ハイブリッドユニットを搭載。

 日産の最高級セダンであるため生産される栃木工場で、通常ラインとは違う別工程で職人により仕立てられていました。

現行の中古車相場

 5代目シーマの中古相場は85〜955万円。100万円以下で購入できる車両は2012年式の過走行(15万〜20万km)のものだけとなり、200万円以下の車両も2012〜2014年式で走行距離7〜10万kmが大半を占めます。

 先進安全装備が向上した2017年6月以降の車両は販売数が少なく価格も290万円以上。程度が良い5代目シーマの購入を考えるのであれば少なくとも250万円は必要となります。

シーマの歴史

 日本がバブル経済と呼ばれる景気拡大のまっただ中だった1988年に登場した初代シーマ。

 Y31型セドリック&グロリアをベースに全幅を拡大。3ナンバー専用ののびやかなボディとなったことや3リッターV6ターボエンジンの圧倒的な加速力が話題となり500万円を超える価格でありながら「シーマ現象」なるムーブメントを巻き起こすほど売れまくりました。

 初代の後を受けた2代目は1991年に登場。初代と比べて荒々しさを廃し、落ち着いた造形の上質なフォルムを採用。3リッターV6エンジンとともに4.1リッターV8エンジンを用意し、高級車としての資質を磨いていきましたが、初代ほどの人気を得ることはできていません。

 1996年に登場した3代目は2代目と比べてアグレッシブなフォルムを採用。シーマよりひとクラス上のインフィニティQ45が国内販売を終えたことで、クラウンのみならずセルシオ(現レクサスLS)がライバルと位置づけられました。

 3代目には国産車初となる車間制御システムが搭載されています。

 4代目は2001年にデビュー。ショーファーカーのプレジデントと姉妹車となったことなどによりボディは3代目よりさらに拡大。2008年のマイナーチェンジにより全長は5mを超える5120mmとなりました。

 パワーユニットは3リッターV6と、4.5リッターV8エンジンがラインアップされています。

最終バージョンのスペック

 5代目シーマはフーガ同様、2019年に安全性などを高める仕様向上を実施。

 上級グレードのVIPやVIP Gにはパワーリクライニング機能を備えたセミアニリン本革シートを装備するなど、スイートルームのリビングで過ごすような快適性を実現していました。

シルフィ

 長年、日産の屋台骨を支えたサニーの後継モデルとして2000年に初代が登場したシルフィ。初代、2代目は「ブルーバード・シルフィ」として販売されていました。

 2020年に生産を終了(在庫分は2021年まで販売)したのは2012年に登場した3代目でパワーユニットは1.8リッター直4のみ。グレードは3タイプとシンプルな構成でした。

 セダンらしい端正なフォルムとゆとりあるスペースを備えたリヤシートを備えていたことで、実用性が高いモデルであることは周知されていました。しかしセダン離れが激しい国内市場ではその価値が認められませんでした。

 中国を始めとする海外モデルはフルモデルチェンジされ販売が続けられていますが、前記したように国内での生産・販売はすでに終了しています。

現行の中古車相場

 3代目の中古相場は40〜170万円。値段が高くつけられている車両は2020〜2021年式の走行距離1〜2万kmの日産ディーラーのデモカーとして使用されていた車両です。

 販売台数こそ少ないものの、程度が良い高年式(2020〜2021年式)の車両が130万円程度で販売されているため、お買い得感あり。

 趣味性こそ薄いものの、セダンとしての実用性は折り紙付き。リーズナブルにセダンを求めたい方にとってシルフィはとくにオススメできる1台です。

シルフィの歴史

 先程もお伝えしたように、サニーの後継モデルとして登場したシルフィ。初代は1.5リッター、1.8リッター、2リッターと多彩なパワーユニットを備え2005年まで販売が続けられました。

 2005年には2代目がデビュー。ボディサイズを5ナンバーサイズにおさえ、個性的な内外装を備えた2代目でしたが販売的にはいまひとつ……。2012年まで販売が続けられ、3代目へバトンタッチしました。

最終バージョンのスペック

 デビュー後から販売はイマイチだった3代目は2015年に追加された特別仕様車「Sツーリング」の発売が最後の動きとなりました。

 グレード体系やパワーユニットはデビュー後も変更なく、初代、2代目に用意された4WD仕様は追加されないまま生産終了を迎えています。

まとめ

 ひと昔前と比べて大幅に車種は減ったものの、国内向けのセダンをラインアップしているトヨタを除けば、セダンに力をいれている国産メーカーはありません。

 ニーズがないといえばそれまでですが、日産が海外で販売しているセダンは魅力的なモデルが多いこともあり、国内販売しないことを残念に思ってしまいます。

 今後、可能性は薄いとは思いますが国内でのセダン復権に期待したいものです。


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