日産独自の電動化技術「e-POWER」! システムと搭載車両について解説 (1/2ページ)

日産独自の電動化技術「e-POWER」! システムと搭載車両について解説

この記事をまとめると

■日産の電動化技術「e-POWER」の仕組みを説明

■トヨタやホンダとのシステムの違いも解説する

■e-POWERを搭載する車種についても紹介

技術の日産を象徴する電動化技術について解説

 先代リーフの搭載を皮切りに、多くの車種に展開されるようになったe-POWER。日産が誇るこのハイブリッドシステムについて詳しく説明していきましょう。

日産のe-POWERとは?

パラレル方式のHV

 日産が誇るe-POWERとはシリーズ式のハイブリッドシステムのこと。

 シリーズ方式のハイブリッドはエンジンが発電機を回すことで生まれる電力をバッテリーに充電。バッテリーから送られる電力や、バッテリーがいっぱいのためエンジンから直接送られる電力を使い、モーターを回してタイヤを動かすシステムです。

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日産e-POWERのシステム画像はこちら

 エンジンの動力はすべて発電に使用されることや、モーターの力のみで駆動されるEVに近いシステムのため、日産はハイブリッドではなくe-POWERと名付けたといわれています。

 e-POWERのレイアウトは発電用エンジンにモーターとインバーターを組み合わせ、これらのユニットをエンジンルームに搭載。

 走行時のシステムですが、エンジンで発電し充電するのはお伝えしたとおり。ただバッテリーの残量が満たされている場合はエンジンが停止しモーターのみで走行、バッテリー残量が少なくなるとエンジンが始動し発電用モーターを回すことで充電をスタートします。

 急加速や上り坂など駆動力は必要になった場合は発電機とバッテリーの両方からモーターに電力を供給し、減速時や下り坂では回生ブレーキとして充電します。

ラインアップから消えた日産のハイブリッド

 いまや日産のハイブリッドといえばe-POWERがまず頭に浮かびますが、他にもハイブリッドシステムが存在していました。

 そのひとつが今年までスカイラインに搭載されていたユニットでラインアップから消滅したフーガやシーマにも搭載されていたハイブリッドシステムです。

 3.5リッターV6エンジンとモーターを組み合わせ2つのクラッチで制御。日産が「ワンモーター2クラッチ式」と称したこのシステムは、エンジンとモーターをクラッチにより自在に接続と切り離しを実現。エンジンのみの動力で走行することはもちろん、モーターでのアシスト、またエンジンと駆動系をクラッチで切り離すこともできるのでEV走行も可能でした。

日産の3.5リッターV6ハイブリッドのエンジンルーム画像はこちら

 現行スカイラインに搭載されたハイブリッドシステムは、シーマなどに搭載されていたシステムをベースに高出力化。筆者もデビュー時の試乗会でその加速を体験しましたが、エンジンのみでは実現できない加速レスポンスに驚いた記憶があります。

日産・スカイラインの走行写真画像はこちら

 ただ、スカイラインのHV仕様は今年9月に行われた一部改良により廃止。同システムを搭載していたフーガとシーマは今年8月に生産が終了し、セレナに搭載されていたマイルドハイブリッドがラインアップ落ちしたため、日産のハイブリッドはe-POWERのみとなりました。

e-POWERとトヨタ&ホンダHVの違い

トヨタのハイブリッド「THS」

 THS(トヨタハイブリッドシステム)と呼ばれるトヨタ独自のハイブリッドシステムは、初代プリウスに初めて搭載され、現在まで多くの車種に搭載されてきました。

 コンパクトカーからフラッグシップセダンまで、幅広い車種に搭載されているシステムはそれぞれ異なっていますが、共通するのは遊星歯車を用いた動力分割機構を装備し、変速機が発電用モーターと駆動用モーターを制御することです。

トヨタのハイブリッドシステム「THS」のエンジンルーム画像はこちら

 エンジンからの入力をプラネタリアギアキャリア、発電機の軸をサンギヤ、出力はリングギアという構成の遊星歯車機構がエンジンと発電機を自在に操るのがTHSのポイントとなります。

 簡単に説明すると遊星歯車を用いてエンジンと2つのモーターを連結、路面状況に応じてEV走行、エンジン+モーターによる走行、(充電しながら)エンジンのみの走行と切り替えることができるシステムで、これをモーターと遊星歯車のみで行うところがTHSの大きな特徴といえるでしょう。

ホンダのハイブリッド「e:HEV」

 e:HEVとは2モーター駆動式のハイブリッドシステムでバッテリーのみで走行するEVモード、エンジン発電によるHVモード、クラッチ直結によるエンジン駆動モードを有します。

ホンダのハイブリッドシステム「e:HEV」のエンジンルーム画像はこちら

 基本的にエンジンで発電し、その電力でモーターが駆動するe-POWER同様のシリーズ式ハイブリッドなのですが、蓄電量が十分な場合はエンジンを停止しバッテリーからの電力のみで走行。高速巡航時などはe-POWERとは違い、エンジン出力で直接タイヤを駆動することで電力の変換ロスを抑える工夫もなされています。

 いわばシリーズ式をベースにモーターがエンジンをサポートするパラレル式としての運用も可能としたこのシステムは、今年デビューしたシビックやステップワゴンなど多くの車種に搭載。燃費性能はもちろんホンダらしくEV走行時での爽快な加速など走行性能に力が入れられています。

ホンダ・ステップワゴンのフロント画像はこちら

e-POWERのメリット・デメリット

 トヨタやホンダのハイブリットと比較して、e-POWERのメリットやデメリットを考えていきましょう。

 まずe-POWERのメリットとして挙げられるのが、常にモーターから動力を得ていることで力強いトルクやゼロ発進時の鋭い加速など、モーターのリニアな走行フィールを味わえることでしょう。

日産・ノートe-POWERの走行写真画像はこちら

 またアクセル操作のみで加減速が可能な「ワンペダルドライブ」も慣れが必要ではありますが、便利な機構であることは間違いありません。

 一方、デメリットとして高速走行時の燃費が悪くなる点が挙げられます。

日産・キックスe-POWERの走行写真画像はこちら

 前提としてハイブリッド車は大きな電力が必要となる一方、回生エネルギーを得にくい高速道路での走行はそもそも苦手です。当然、e-POWERも高速道路での走行時はエンジン車と比べ燃費は劣るのですが、ホンダのe:HEVは高速巡航時に市街地走行時に比べ、燃費が良くなるエンジンのみでの走行も可能。THSも高速走行時にはエンジンを休止することで燃費の悪化を防ぐ制御が行われるため、これら2つのシステムと比較するとバッテリー残量が満たされていない限り、エンジンで常に発電する必要があるe-POWERは高速走行がやや劣ることがデメリットといえるでしょう。

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