フェンダーで出っ張るのが普通じゃないの? ハイエースのホイールアーチが「凹んでいる」ワケ (2/2ページ)

剛性の確保にも役立っている

剛性確保に寄与

 このプレスラインが果たしている機能的な役割はボディ剛性の確保です。パネルの面積が大きいと平面なパネルだけで剛性を確保するのは難しくなってきますが、プレスラインを入れることでコストを大幅に上げることなく剛性を確保しやすくなります。ルーフが平面で大きな車種に直線の凸凹のプレスラインが入っているのが見受けられると思いますが、これは剛性を確保するために入れられているのです。

 ハイエースのフェンダーのプレスラインも機能的な役割としてはルーフのプレスラインと同じように、剛性を確保するために入れられているものでしょう。

 また、リヤフェンダーはプレスラインだけでなく、構造用接着剤も用いていて剛性アップと強度確保もされています。タフで頼れる相棒であることが求められるハイエースだからこその工夫と言えるでしょう。

機能美が集約されたデザイン

 商用バンとしての機能性の高さから人気のあるハイエースですが、その機能性の高さはデザインにも表れていることがこのフェンダーのプレスラインからわかります。

 走行性能を求めたスポーツカーやスーパーカーには空力や冷却を重視したデザインが施され、それが機能美と称賛されることは多いですが、確実な機能と性能が求められる商用車も機能美が溢れるデザインに仕上がっていると言えるでしょう。


西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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マツダ・ロードスター(NB8C後期型)/ボルボV40 T4
趣味
スポーツ走行、写真撮影、ネットラジオ鑑賞
好きな有名人
織田裕二、駒形友梨

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