万が一交通事故の加害者になってしまったとき「被害者への謝罪」をする上で重要なこととは (2/2ページ)

示談の内容や進め方についての約束は避ける

 なぜこうした謝罪が重要かというと、人身事故の場合、刑事裁判で起訴される可能性があり、事故への謝罪や反省、被害者の処罰感情などが、起訴・不起訴、処罰の軽重に大きく影響してくるからだ。示談交渉は保険会社に任せるにしても、誠意ある謝罪は加害者の義務だといいっていい。

 被害者から「不誠実だ」と思われてしまうと、民事の示談交渉もこじれて長引く可能性が大きい。示談交渉が長引くと刑事事件の情状も悪くなるので、被害者の心証を悪くしないように、できるだけ早く、誠意を込めて謝罪しておくことがとても重要。

 たとえ保険会社から「被害者に直接接触しないでください」といわれたとしても、示談の話、お金の話をしない限りは問題ない。保険会社にも「あくまで謝罪だけが目的」と話して、アドバイスをもらってから、お見舞い、面会に行くようにしよう。

 また万が一、被害者が亡くなってしまった場合も、なるべくお葬式には参列すること。遺族も加害者本人も辛い思いをするかもしれないが、ここは人として大事なところ。

 面会がかなった場合は、言い訳やこちらの事情などは話さずに、まずは素直に謝罪。そして怪我の程度や回復具合などに気遣いをする(お見舞い)。示談の内容、進め方については「保険会社を通じて誠心誠意対応させていただきます」とだけ伝えて、勝手な約束などはしないこと(非常に重要)。

 その他、謝罪の仕方や面談について、わからないこと不安なことがあれば、保険会社からアドバイスをもらってから行動すること。

 先方から謝罪・面談を断られ続けた場合は、「謝罪文」を郵送するという方法もある。しかし、文面によっては相手の気分を害したり、誤解を招く可能性もあるので、書き方には注意すること。これも保険会社と相談しながら作成し、コピーを手元に保管しておくこともポイントだ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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