1台売ったらテスラはトヨタの8倍儲かるはホント? 自動車業界を騒がせるテスラの正体とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■テスラは2003年に設立されて以来まだ20年程度という自動車業界では新興メーカーだ

■新興メーカーでありながらトヨタと比較して1台あたりで8倍ほど高い利益を出している

■パーツの共通化やシンプルな構成などが高い利益率に繋がっていると考えられている

新興メーカーがトヨタ以上の利益を出せる納得の理由

 日本経済新聞が2022年11月7日、「トヨタとテスラ、『1台の格差』8倍に 初の純利益逆転」と題する記事を掲載した。

 その内容は、2022年7〜9月期決算で、トヨタの連結純利益4342億円をテスラが4542億円で抜いたことをベースに、販売総数ではトヨタがテスラより8倍多いのだから、1台あたりの利益を単純計算すれば、テスラはトヨタより8倍高いと指摘したのだ。

 こうした単純計算での2社比較に対しては、さまざまな意見があるだろう。ただし、少なくともテスラはトヨタよりもかなり効率が良い商売をしていることは確かである。

 では、その背景に何があるのか?

 テスラは事業内容の詳細について定常的に情報開示していないため、トヨタとテスラの事業の差を明確に示すことは難しい。

 そこで、あくまでも一般論として、トヨタとテスラの事業の進め方の違いについて紹介してみたい。ちなみに、筆者はテスラが2003年に設立されて以来、その後テスラが紆余曲折を経て現在の形に至るまでの経緯をアメリカで定常的に詳しく見てきている。

 まず最初に言えるのは、テスラにこれまで直接携わってきた多くの人たちにとって、また自動車産業界の全ての人たちにとって、テスラがこれほど短期間に急成長し、現在の企業体系に”大化け”することは極めて大きな驚きだと思う。

 その上で、テスラがこれまで何をしてきたかだが、それは「ユーザーのニーズに対して、必要十分な”ほどよい”こと」なのだと思う。

 つまり、商品の先進性を突き詰め過ぎるのではなく、また奇抜なことをするのでもなく、EV(電気自動車)を求める人たちからの声をそのまま、商品に反映されているだけだと思う。それを、イーロン・マスク氏が上手く広報している。

 これが結果的に、トヨタなど既存の自動車メーカーの商売の仕組みと違うことになった、と言えるのではないだろうか。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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トヨタ・ハイエースキャンパーアルトピア―ノ等
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動物たちとのふれあい
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聖徳太子(多くの人の声を同時にしっかり聞くという伝説があるので)

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