大容量のバッテリーを積んでるのになぜ? ハイブリッド車がガソリン車と同じ「12Vバッテリー」も搭載する理由 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ハイブリッカーには走行用に専用の大容量バッテリーが必要だ

■ではなぜ内燃機関車と同じ12ボルトの鉛酸バッテリーを搭載するのか?

■2種類のバッテリーを積む理由について解説する

HVが2種類のバッテリーを積む理由とは?

 現在のハイブリッドカー(以下HV)は、内燃機関を主動力として電気モーターを補助動力に使う方式と、電気モーターによる走りを主動力とし、内燃機関を補助動力、あるいは動力用バッテリー充電の発電用として使う2つのタイプに分けられる。ただ、いずれの場合も電気モーターを駆動するには大電力が必要で、走行用に専用の大容量バッテリーを搭載する状態となっている。

 では、HVは大容量バッテリーがあるにもかかわらず、なぜ内燃機関車と同じ12ボルトの鉛酸バッテリーを搭載しているのだろうか? その理由は、動力用バッテリーは電圧も高く、モーター駆動専用の規格となっていることに対し、自動車には灯火類やナビゲーション、カーオーディオなどといった従来からの電装品も装備され、これらのための電源が必要となるからだ。さらに、もっとも大切な用途としては、HVシステムを制御するための制御電源が必要で、12ボルトバッテリーがこの役割を担っている。

 この12ボルトのバッテリーは、補機用バッテリーとも言われ、走行用バッテリーがフル充電の状態であっても、補機用バッテリーが機能しないと(バッテリー上がりなど)HVシステムが制御できず、HV車は身動きがとれなくなってしまうのだ。

 さて、2種類のバッテリーを積むHVだが、これらのトラブルについて考えてみよう。まず補機用バッテリーだが、これは従来型と同じく12ボルト仕様の鉛酸バッテリーで、HVシステムの制御や車両電装品の電源として使われるのは説明したとおりだ。そしてこのバッテリーは、通常の内燃機関車と同じく、使用した分の電力は走行中に充電される仕組みだが、機能しなくなると(バッテリー上がりも含めて)HVシステムを起動、制御することができなくなり、結果としてクルマは走ることができなくなってしまう。


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