世界中を見渡してもライバル不在! デリカD:5にあって他のミニバンにないものとは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■独自な存在感を放つ三菱デリカD:5

■悪路走破性の高さを誇る唯一のミニバンだ

■デリカD:5にライバルは存在しないのだろうか?

最低地上高はクロカン系SUV並み!

 三菱自動車のミニバンとして独自な存在感を放っているのが「デリカD:5」だ。1968年に初代「デリカ」がリリースされてから今年で55年! この間、スターワゴンやスペースギアなどさまざまなモデルを展開してきている。近年は4WDを標準仕様化し、悪路走破性の高さを誇る唯一のミニバンとして独自のステータスを築いている。

 ミニバンというジャンルで見ればトヨタの「アルファード/ヴェルファイア」や「ノア/ヴォクシー」、日産の「セレナ」やホンダ「ステップワゴン」なども高い人気を獲得している。こうしたライバルモデルにも4WD車の設定はあるのだが、悪路走破性の強さとしてはデリカD:5が圧倒的に高いというイメージが確立されている。実際、悪路性能を左右する最低地上高は165mmが必要だ。ノア・ヴォク/140mm、ステップワゴン155mm、セレナ/135mmなどとなっているが、デリカD:5は185mmとクロカン系SUVに近いハイトとなっているのだ。さらにアプローチアングルやデパーチャーアングルなども大きく、悪路に強いスペックで仕上げられている。

 最低地上高を高くするとフロアが高くなるため、乗降性を向上させるために低床フロアを採用しているライバルでは難しい。デリカD:5は高いフロアが悪路ではかえって安心感を生むということを世界市場で学んでおり、唯一無二なパッケージングで地位を築けたといえるだろう。それは丁度、メルセデスGクラスやジープ・ラングラー、トヨタ・ランドクルーザーなどが大きく姿を変えないことによって世界中で長年支持されているのに似ているとも言える。

 技術的にみると、現行デリカD:5の基本骨格のデザインは2007年に登場してから大きく変わっていない。環状骨格構造と呼ばれるモノコックボディは確かに高い剛性が与えられ、悪路での入力に対してキシミ音ひとつ出さず、また高速巡航では静かな室内を実現している。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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