フルモデルチェンジで消えるという噂も……かつて「アルファード」より売れた「ヴェルファイア」が不人気車に陥ったワケ (2/2ページ)

新型になって登場する可能性もゼロじゃない?

 この時点で、これまでのヴェルファイアに比べてやや大人しい顔を持つのがアルファード……という図式は逆転。迫力、高級感で圧倒しつつ、フォーマル感でも上まわるのがアルファードになったというわけだ。となれば当然、国産ハイエンドミニバンを望む一般ユーザーはもちろん、高級セダンより後席の乗降性にも優れ、AC100V/1500Wコンセントも装備され(ハイブリッド車)、車内で仕事もしやすい移動手段を切望するVIP、芸能人の目は、一気にヴェルファイアではなく新しいアルファードに向くことになり、実際そうなっている。

 ヴェルファイアのユーザーがアルファードに流れる現象も確認されている。なお、ビッグチェンジ後の2018年時点で、月間販売台数は、アルファードが1850台近く上まわり、年間で2万2000台以上の差が付いている。

 結果、2021年4月のアルファードとヴェルファイアの一部改良で、ヴェルファイアは特別仕様車のGOLDEN EYESのみのグレード展開となり、冒頭で説明した25:2グレードという、ヴェルファイアファンにとっては納得のいかないモデルラインアップになっているのが現状だ。

 では、2023年春にも登場すると予想されている(諸般の事情で遅れる可能性もある)新型アルファードのデビュー時に、ヴェルファイアも登場するのだろうか。以前は、ヴェルファイア消滅というウワサが流れていたものの、ヴェルファイア復活という情報もないではない。こればかりはフタを開けてみないとわからないが、アルファードに対するヴェルファイア独自の魅力を実現、アピールできれば、かつてのようにアルファードとヴェルファイアの両立が可能になるかも知れない。

 このクラスの国産ハイエンドミニバンの選択肢が、ほぼアルファードのみというのはつまらない。個人的には、新型が、アルファードにしようか、ヴェルファイアにしようか……と、大いに悩ましてくれるような展開、デザイン違いになると嬉しく思う。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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