「好きを仕事に」はアリかナシか? クルマ大好きライターが経験した「数々の仕事」で得た教訓 (2/2ページ)

カーメディアの仕事がしたいと実感した経験や出会い

某ビデオマガジンの公式サイトのリニューアルを担当

 某国産車ディーラー公式サイトも無事に公開したのち「某ビデオマガジン」公式サイトのリニューアルを担当。発案者(言い出しっぺ)なので、当然ながら企画からサイトの構成、サイトマップの作成、関係者の進行管理など、一連の作業を担うことに。いまから20年ほど前、YouTubeなんて夢のまた夢の時代に、予告動画を公式サイト(PC/モバイル)で流すにはどうすればいいか、制作担当の方と悩む日々。仕事でメディアの世界にどっぷり浸かったはじめての経験。やはりいずれはカーメディアの仕事がしたいと強く実感したのもこのときでした。

もっとWebの世界を知りたいと、大手ポータルサイトの運営会社に転職

 ……したはいいものの、クルマとはまったく無縁の世界へ。当然ながらクルマのクの字も出てこない。そもそも、社内にクルマに興味関心がある人が誰もいない。これにはカルチャーショックを受けました。唯一、部署の上司がクルマ好きで救われました(上司とはいまでもお付き合いがあります)。勤め先の企業が丸の内にあったため、気分転換に通りを走る珍しいクルマを眺めたり、時間がないときは地下駐車場に停めてあったハイヤーを眺めて癒される日々。筆者は企画部所属だったのでまだよかったものの、営業に配属された同期は上司にゴリゴリにツメられていました。会社の雰囲気にも馴染めず、自身のキャリアのなかでもいちばん辛かった時期かもしれません。

紆余曲折あり、ラジオ番組を制作することに……

 さすがにこれでは身が持たないと悟り、かつての勤め先の社長さんのお誘いで、系列の会社に出戻りすることに。またもや未経験ながら、コミュニティFM局でオンエアされていたラジオ番組の制作を担当。毎週土曜日、2時間の生放送。毎回のゲストの出演交渉やアテンド、リポーターさんの取材先探しから生放送中の進行管理まで……パーソナリティ以外の仕事をひととおり経験。そのうち担当番組が2つに増え、そこでご一緒したのがモータージャーナリストの竹岡 圭さん。いちスタッフである筆者にも分け隔てなく接してくださったので、とても楽しく仕事ができましたね。

じつは、メディアの仕事がメインになったのは独立してから

 その後、紆余曲折あり、会社員として残るか、独立するかの選択を迫られることになり、「こんな機会はめったにないかも」と、勢いだけでフリーランスに。若いころ、潜り込みたくても枠がなかった(未経験者を採用してくれるところは皆無だった)ので、クルマのメディアの仕事を生業にしてみようと決意。自ら売り込んだり、友人・知人を介して紹介してもらったりしているうちに、少しずつお仕事をいただけるようになってきて……現在にいたります。その間、独立前に竹岡 圭さんの仕事に対するスタンスや人に対する接し方が、筆者にとっては指針となった気がします。さすがに竹岡さんのようにはできませんが……。

心配事の約80%は実際には起こらない?

 好きを仕事にするかどうかは、今までも、おそらくはこれからも不変のテーマのような気がしています。とある大学の研究チームによると、心配事の約80%は実際には起こらないそうです。残りの約15%は事前に準備すれば回避が可能で、あとの5%が実際に起こりうるかもしれない心配事なのだとか。あとになってみれば、「意外と何とかなる(かも)」という気がしています。また、そう思わないと正直やっていられません。日々、心配事だらけなので(笑)。


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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