新型デビュー目前で「受注停止」になっている車種でも「ディーラー試乗」ができるワケ

この記事をまとめると

■現在、受注を停止している車種は少なくない

■このような車種はディーラー試乗できるのだろうか?

■トヨタの販売店に聞いた

現行アルファードは試乗車を用意

 今は納期が遅延しており、受注を停止している車種もある。納期が1年以上に延びた場合、そのまま受注を続けると、際限がなくなる心配もあるからだ。

 またフルモデルチェンジや比較的規模の大きなマイナーチェンジを控えている車種も、受注を停止している。たとえば1年後にフルモデルチェンジを実施する車種の納期が1年以上に延びたら、次期型の受注を始めねばならない。しかし1年後に登場する新型車の内容は不確定だから、受注は行えない。そのために受注を止めている。

 このような受注を停止している車種を販売店で試乗できるのか。トヨタでは、アルファードのフルモデルチェンジが控えており、2022年の中盤に受注を止めた。試乗できるかを販売店に尋ねると、以下のように返答された。「アルファードの受注はすでに停止している。6月に行われる新型の発売に先立って、5月下旬に予約受注を開始するまで再開されない。それでも現行型の試乗車を置いている。注文できなくても、試乗したいお客様はおられるからだ」。

 確かに現行アルファードの受注は終了したが、ミニバンの購入を考えている時には参考になる。たとえば現行ヴォクシーを買うか、それとも次期アルファードを待つか迷った時、現行型のヴォクシーとアルファードを試乗すると良い。アルファードのボディサイズ、車内の広さ、取りまわし性などは、次期型もあまり変わらないからだ。現行アルファードを試乗して運転しにくいと感じたら、それは次期型にも当てはまる。

 このように現行型の試乗車は、今後登場する新型車の判断材料にもなり得る。たとえば2023年3月中旬時点において、新型クロストレックの試乗車はすでに販売店へ導入されているが、新型インプレッサはまだ試乗できない。

 それでもクロストレックを試乗すれば、インプレッサのこともかなりわかる。ボディサイズはほとんど変わらず、視界もほぼ同じだ。最小回転半径は、インプレッサが0.1m下まわるだけ。e-BOXER搭載車であれば動力性能も等しいから、走行安定性と乗り心地が若干異なるものの、運転感覚は十分に想像できる。

 デリカミニも、eKクロススペースのマイナーチェンジ版だ。従って車内の広さ、シートアレンジ、4WDを除いた走行性能などは、現行eKクロススペースやルークスと同様になる。新型車の購入計画を立てる時には、現行型の試乗車も活用したい。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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