絶対に失敗できない買い物を成功させるワザ! 短時間のディーラー試乗での正解の行動とは (1/2ページ)

短時間の試乗でクルマの走りを見極めるのは至難のワザ

 クルマ好きにとってディーラー試乗は、新車購入プロジェクトのなかでもとくに重要、かつ楽しみなイベントだ。セールスマンの対応が良く、値引きなど納得できる条件が提示されていたとしても、肝心のクルマの乗り味が自分の好みに合わなければ、購入意欲も薄れるというもの。

 予想外の値引きの大きさに多少心がグラつくことはあっても、やはりクルマ好きは、お目当のクルマの走りの良し悪しがもっとも重要な要素となる。それゆえに試乗は大事だ。

 そのディーラーで何台も購入しているなど、すでに一定の信頼関係が築けていた場合は、セールスマンの同乗がなかったり、比較的長い時間の試乗が許されるなどして、クルマの走りの細部を徹底的にチェックできることもある。近くに高速道路があれば、高速走行を試させてくれるディーラーも少なくない。

 しかし、一般的な商談ではセールスマンが同乗のうえ、ディーラーの周辺を20~30分ほど走る程度となる。試乗経験が豊富か、感覚が鋭い人でもない限り、短時間の試乗でクルマの走りのすべてを確認することは難しい。

 スポーツモデルなら、加速やブレーキ、ハンドリング性能が確認できる走りを試したいところだが、都市部ではそれも難しい場合がほとんどだ。時間的にも状況的にも限られた試乗で、優先的にチェックすべきポイントを挙げてみたので、参考にしてほしい。

1)ライバル車にも「ハシゴ」試乗する

 ハンドリングや乗り心地、静粛性などの性能や、個性をチェックする際は、単体だけで判断するよりも、比較対象がある真実がわかりやすい。検討候補のクルマは、なるべく印象が新鮮なうちにすべて試乗して、それぞれのフィーリングを比較しよう。

「A車はハンドリングが期待通り素晴らしく、十分満足できると感じたが、B車はさらに良くて考えが変わった」

「A車の静粛性はまずまず高いと思えたが、B車に乗るともっと静かであり、余計なノイズが遮断されている。B車に乗ったことで、A車の静粛性はそれほど高くはないことがわかった」

「A車もB車も甲乙付け難いほど良かったが、A車は予想以上に走りが硬派で、より自分の好みであることがわかった」

 といった感じで、各部のフィーリングを2台以上で比較すると、それぞれの優劣や特徴が浮き彫りになるのでわかりやすくなる。それぞれの印象や記憶が薄くならないよう、なるべく短時間のうちに乗り比べたい。できれば同じ日に試乗のハシゴをするのがオススメだ。数日以上間があくと前に乗ったクルマの印象は薄れるし、脳内補正がかかったりして、公正な比較ができなくなることも。幸い、新車ディーラーは近いエリアに集中している場合が多いので、試乗のハシゴは意外と難しいことではない。

 また、欲しいクルマはすでに決まっていて、それ以外のクルマに興味がない場合でも、競合車の乗り味を試しておこう。セールスマンは危機感を抱いて値引きの拡大を引き出す効果があるし、他車と乗り比べることによって、意外な発見がある可能性もある。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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