いま1&4ナンバーのハイエースやキャラバンを改造するショップが多数! あえて商用車を乗用化するのはナゼ? (2/2ページ)

1ナンバー車の乗用化はメリットが大きい!

 ハイエースのワイドボディ版の全幅は1880mmとなり、ガソリンエンジンの排気量は2.7リッターとなる。当然、商用車としては1ナンバーをつけることになる。

 1ナンバーのデメリットとしてオーナーが嘆くのは高速道路の料金が高いこと。同じようなボディサイズであっても3ナンバーのミニバンであれば高速道路での分類は「普通車」となるが、1ナンバー商用車は「中型車」となってしまう。

 たとえば東名高速で東京から浜松まで向かった場合、「普通車」の基本料金は5630円なのに対して、「中型車」は6720円となってしまうのだ。ロングドライブが多いユーザーであれば、こうした違いはじわじわと財布に影響することは確実だ。

 逆にいえば、1ナンバーの商用1BOXを、乗用仕様に改造して3ナンバー化すれば高速道路の料金は「普通車」扱いになるわけで、それはコスト面でのメリットとなるわけだ。もちろん4ナンバーと同様に車検期間が延びるのもうれしいポイントとなるだろう。

 商用1BOXを乗用仕様にするのは、けっして安くはないコストがかかる。ランニングコストの差をメリットとしてとらえるよりも、たとえば4ナンバーの5ナンバー化であれば「取りまわしやすいボディと3ナンバーミニバンを超える空間」というアドバンテージを評価するほうが建設的かつ健康的な判断といえるだろう。

 筆者個人として、コストをかける価値がもっとも感じられるのはハイエースコミューター(14人乗り)を10人乗りとして普通免許で運転できるように改造するプログラムだ。

 もともとハイエースには10人乗りのワゴン仕様(3ナンバー)があるが、ハイエースワゴンは2.7リッターガソリンエンジンだけのラインアップとなる。対して、ハイエースコミューターには2.8リッターディーゼルの設定があるが、通常では14人乗りということで2ナンバーであり、普通免許では運転できず、限定条件のない中型免許以上が必要となる。

 つまり、多くの人が持っている普通免許ではハイエースコミューターは運転できない。8t限定ありの中型免許でも定員11名以上の乗用車を運転することはできず、教習所に通うなどして限定解除する必要がある。

 2.8リッターディーゼルのハイエースコミューターを、10人乗りのワゴン仕様に改造すれば、中型免許を取得したり、限定解除をしたりする手間が省ける。当然ながら、3ナンバーにしておけば家族に普通免許を持っている人が複数いれば、運転を交代することも可能になる。

 ディーゼルのハイエースワゴンに乗りたいというのであれば、こうした改造は検討する価値があるといえるかもしれない。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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