自由なアイディアとプロ顔負けのデッサン力に脱帽! 全国の中高生が競った「第11回モビリティデザインコンテスト」が面白すぎた (2/2ページ)

プロからレクチャーを受ける機会も

●大賞はクルマを持っていない人のための移動体

 最後は、「トータルでもっとも優れた作品」となるモビリティデザイン大賞を受賞した菅﨑瑞希さんの「MLO(ムロ)」。買い物や旅行先などで荷物を運んでくれる、ICTを活用した自動運転の動くロッカーです。

「去年東京へ旅行に来たのですが、その際、地元(岡山)と違ってクルマを所有していない人が多いと感じました。そこで、クルマを持っていなくても荷物が運べると便利では? と感じたのが提案のキッカケです。最初は普通のトラックのような形状も考えたのですが、もっと新規性が必要だと。色も悩んだ末、街中で使うのでシンプルで抑えた白がイイと考えました」

 菅﨑さんの言葉のとおり、4つの脚と円筒形の組み合わせは唐突ながらじつにシンプルにまとまっているし、開口の方向を問わない円形にも説得力があります。今回の審査でも、このまとまりのよさを含めた完成度の高さが評価されたようです。

●モノつくり日本を取り戻したい

 このコンテストは、そもそも「若者のクルマ離れ」への危機感が発端だとされますが、それはデザインの現場でも同じで、最近はモノつくり系デザイン全般の人気がないと言われています。

 たとえば、この表彰式の後半にはデザイン部門委員、即ちメーカーの現役デザイナーによる個別のスケッチ講習会が行われましたが、コンテストに加え、そうした体験の提供もまたカーデザインの普及に欠かせないものなのかもしれません。

※第11回 モビリティデザインコンテスト受賞者(敬称略)

モビリティデザイン大賞:菅﨑瑞希(岡山県立岡山一宮高等学校)

モビリティデザイン賞:加藤凜(三重県四日市市立三滝中学校)
           増田朔山(横浜市立横浜商業高等学校)

ダビンチ賞:山口レオン剛史(東山中学校)

審査員特別賞:宇野暁斗(奈良工業高等専門学校)
       浜名克聡(神奈川県立湘南高等学校)


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

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