日本車がシェア8割を占めるタイで中国メーカーが存在感! バンコクモーターショーで中華系BEVに群がる若者たち (2/2ページ)

バンコクで浸透する中国BEVに日本製BEVは追いつけるのか?

 しかし、今回の中国系メーカーブースをみると、感度の高い人だけでなく、年配の人も含めさまざまな人を見ることができた。筆者の私見となるが、タイ政府もBEVを含むZEV普及に熱心であり、購入だけでなく現地生産などにおいてもインセンティブを用意している。それもあり、とくにバンコク首都圏では東京以上にBEVを見かけることができる。

 しかも、東京のようにBEV=テスラということもなく、中国系メーカー車が主流となっている。テレビなどの報道で政府がZEV普及に熱心であると聞き、街を歩けばBEVを多く見かければ自然と興味がわくもの。しかも、バンコク市内を走るエアコン付き路線バスのBEV化が急速に進んできることも大きいだろう。

 つまり、日本メーカーがBEVをなかなか増やすことなくマゴマゴしているようにも見える間に、タイでのBEVを取り巻く環境は新しいフェーズに入ってきているともいえるのだ。

 中国系メーカーのBEV普及モデルの価格は400万円ほど。欧州ブランドは輸入されていることもあり1000万円以上が当たり前なので富裕層がメインユーザーだが、中国系メーカーのBEVは、外資系メーカーなどに勤務する中間所得層がメインユーザーと考えられる。さらに最近では、300万円もしくはそれを切る割安BEVも登場してきている。

 これだけ市場形成やフェーズが進んでしまってから、日本車はBEVを積極投入していくことになるが、それはかなり体力のいる仕事になっていくだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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