うっとり夢心地! あまりに乗り心地が良すぎて忘れられない衝撃モデル5選 (2/2ページ)

プレミアムブランドの足まわりは圧巻の完成度!

 3台目は、マツダがフラッグシップとして力を注ぐセダンのMAZDA6。2002年に日本名アテンザとしてデビューし、現在は3代目にあたるモデルへと進化しています。その現行モデルももちろん素晴らしいのですが、とくに乗り心地に絞ってみると、感動したのは2代目モデル。最初に試乗したのがフランスのニースだったのですが、日本と違って路面の舗装が荒く、空港から試乗会場まで乗っていったバンでは常に不快な振動が続いていたほどでした。

 でもMAZDA6(当時アテンザ)に乗り換えてみると、ロードノイズもゴツゴツとした振動もほぼ消え去るという、マジックカーペットさながらの乗り心地にビックリ。もちろん、運転するために必要な路面の情報はしっかりと手のひらやヒップに伝わってくるものの、たとえば工事中で小石が散らばっているような区間を通過したときにも、まるで小石の分だけ宙に浮いて走っていたかのように、不快な振動がないのです。当時新設計だったフロントサスペンションは、マウント部のフレームやダンパーが見直され、リヤのマルチリンク式サスペンションとともに熟考を重ねたセッティングがとられたといいます。

 また防音・吸音対策も念入りに施してあり、床下はもちろんダッシュパネル内やルーフにまで及んでいることもあって、不快な振動やノイズを徹底的に排除したマツダのこだわりを実感したのでした。

 4台目は、2006年10月に登場したシトロエン C6。当時シトロエンが久々に作ったプレミアムセダンでした。デザインはクーペのようにも感じられるリヤエンドが個性的で、長いフロントオーバーハングとなめらかなルーフラインを持つ堂々たるボディ。

 インテリアは「走るラウンジ」思想に基づき、独特のこだわりによって上質でゆったりとした空間がもたらされています。たとえばインパネの横幅いっぱいと、ドアライニングの下半分に半月上に使われたウッドや、たっぷりとした質感で魅せるレザーは、品質のみならず感触や色まで吟味するこだわりよう。後席もゆったりとしていて広く、ゲストをおもてなしするかのようです。そしてエンジンは3リッターV6のみで、6速ATとのマッチングでなめらかな加速フィールを実現しつつ、その乗り心地はまるで雲の上を走っているかのよう。

 もしくは、道路一面に低反発クッションを敷き詰めたというイメージでしょうか。サスペンションにはシトロエン独創の油圧式、ハイドラクティブIIIプラスが搭載されて、セルフレベリング機能によって常に一定の姿勢を保つのが、その極上の乗り心地のヒミツです。路面状況や走行状態に合わせてロードクリアランスを調整する、ハイトコントロール機能も備わっています。

 5台目は、SUVで世界初のオールアルミボディを採用して2013年に登場したレンジローバー。もちろん最新の現行モデルも素晴らしい乗り心地なのですが、このときに試乗した感動はやっぱり忘れられません。パワートレインは5.9リッターのV8エンジンとなる自然吸気とスーパーチャージャーがあって、どちらも8速AT。なめらかな加速、力強いトルクが自在に操れ、カーブでのフラット感がとくに感動モノでした。

 まるで、内側はふんわり、外側はガッシリとしたゆりかごに守られているような安心感と心地よさ。そしてレンジローバーのスゴいところは、オフロードの滑りやすく荒れた路面でさえも乗り心地の良さ、安定性、静粛性の高さをしっかりと実現しているということ。高度な電子制御技術でオフロードでの追従機能、一定速度走行まで可能というのは、地球上のどこでも走れそうな気がしてくるほどでした。

 これはやはり、あらゆる道を知り尽くしているからこそ。「路面」という単純なものではなく、地形、地質、温度や湿度、雨や雪、障害物といった、道に影響を及ぼすすべてのものを知り、研究し、ノウハウを蓄積してきた結果としてレンジローバーの乗り心地は完成されているのだと思い知った瞬間でした。

 ということで、本当に乗り心地がいいと感動したクルマ、現時点でのベスト5をご紹介しました。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

新着情報