【試乗】こんなクルマを買えるのは最後かも! メルセデス・ベンツA&Bクラスのマイチェンの進化が想像以上にスゴかった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■マイナーチェンジしたメルセデス・ベンツAクラス/Bクラスに試乗した

■Aクラス/Bクラスともにスタイリングはスポーティにブラッシュアップされた

■両モデルとも1.4リッター直4ガソリンと2リッター直4ディーゼルを用意、どちらも素直に“いいな”と思わされた

キープコンセプトながら中身は大幅に正常進化

 メルセデス・ベンツのエントリークラスにあたるコンパクトハッチのAクラス、そしてコンパクトMPVのBクラス。どちらもメルセデス・ベンツの販売面では欠かすことのできない、主力といえるモデルだ。このふたつのモデルにマイナーチェンジが行われた。どちらも全体的な印象は先代からそう大きくは変わらないものの、実車を前にしてみると、内外装のディテールやデジタルデバイスの進化など、なかなか有効に感じられる変更点が多かった。

 Aクラス、Bクラスともに、スタイリングはよりスポーティになった印象だ。最新のCクラスと同じ系列のシャークノーズっぽいフロントフェイスとキリッとしたヘッドライトのおかげで、精悍さを増している。存在感はあるしプレミアム感のようなものも手に入れてるように思うが、それでも威圧感のようなものが持たされていないのは、クルマとしての立ち位置を考えてのサジ加減なのだろう。ちょうどいいところにはまってる感じがして、そのあたりは上手いな、と思う。

 インテリアは、ちょっとスッキリしたかな? という印象だ。AクラスとBクラスではドア内張りのデザインやコンソールの加色などに違いはあるのだが、どちらも基本的なレイアウトは先代を踏襲してるものの、センターコンソールにあったインフォテインメントシステムを操作するためのタッチパッド類がなくなって、代わりにドライビングモード切り換えなどのスイッチ類や小物入れなどが配されている。

 世代なのか僕自身がついていけてなかっただけなのか、タッチパッドは思ったより操作しにくかった覚えがあるから、個人的にはこれに賛成。おかげで見た目がシンプルになったのもいいな、と思う。インフォテインメントシステムなどの操作はステアリングのタッチコントロールボタンでほとんどを行うことができる。手元だけで操作が完結できるので、慣れてしまえばこれはかなり便利だ。

 また、「ハイ、メルセデス」ではじめられる対話式の音声認識機能も、最新式へとアップデートされた。ナビゲーション、電話、音楽、気象情報、エアコン、照明などさまざまな機能をコントロールできるわけだが、できることが増えているし、音声の認識率もかなりあがってるように感じる。クルマに話しかけるのにはあいかわらず抵抗感というか照れがあるのは僕個人の問題かもしれないが、操作のために視線をほとんど動かさなくてすむので、いちど使ってしまうとちょっと手放せなくなる気がする。

 さらにはナビゲーションシステムにARが導入されて、目の前に広がる景色がナビ画面の一部に反映され、そこに進むべき進路が表示されるから、とてもわかりやすい。どこを曲がるんだっけ? ってミスしてしまうことが減るような気がする。こうしたインターフェイスの進化が、今回のマイナーチェンジのもっとも大きなキモであるように思う。

 AクラスとBクラスは用意されるパワートレインも共通で、遅れて導入されたAMG A 35を別にすれば、1.4リッター直列4気筒ターボに7速ATを組み合わせた“180”と、2リッター直列4気筒ディーゼルターボに8速ATを組み合わせた“200 d”の2種類となる。それらはマイナーチェンジ前のモデルからの継承で、180は136馬力/5500rpmに200Nm/1460-4000rpm、200 dが150馬力/3400-4400rpmに320Nm/1400-3200rpmと数値にも変わりはない。


嶋田智之 SHIMADA TOMOYUKI

2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
2001年式アルファロメオ166/1970年式フィアット500L
趣味
クルマで走ること、本を読むこと
好きな有名人
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