教え手も腰がひける! コンシェルジュが台頭! いまどき自動車ディーラーの難しすぎる雇用状況 (2/2ページ)

将来ディーラーマンがロボットになるかも!?

 男女雇用機会均等法(1986年施行)ができたころ、新車販売ディーラーでは大量の高校卒業程度の女子社員を採用していた。当時は新車を受注すると、新規登録や、保険関係などで膨大な紙ベースの書類が発生し、その処理のためにおもに事務職として採用されていたのだが、いまでは完全にアウトな発言となるが「男性社員のお嫁さん候補としても採用している」などと平気で当時は公言されていた。車両代金は高額であり、当時は現金販売が主流で日々高額な現金を手にすることが多かったので、身持ちをよくすることで使い込みなど犯罪に手を染めさせないようにするとの意味で社内結婚という形で早めに家庭を持たせようという動きも目立っていた。

 その後バブル崩壊や、男女平等社会の浸透などもあり目立って前述したような理由での女性社員の積極的採用は行っていなかったのだが、最近になって再び積極採用しているようである。女性ばかりというのはいかがなものかという意見もあるだろうが、コンシェルジュが積極採用される背景には働き手不足、つまりセールスマンの数が十分足りていないということも大きいようだ。

 ディーラー店舗へ車両を持ち込んで点検などを行うのが当たり前となっているので、新車購入目的以外の来店も多く、セールスマンとしても販売したお客が店頭にきたら最低でも挨拶ぐらいはすることになるだろう。十分なスタッフがいないなかでは、セールスマンだけでは店頭応対はすぐに限界レベルに達する。そこでマルチに接客できる人材を配置しながら、新車販売業務の補佐的立場としてコンシェルジュのディーラー店舗における存在は大きいのである。商談はできなくとも、商品説明を細かく行い、セールスマンの手が空くまで待ってもらったり、お客がそこまで時間がなければ後日電話連絡などをさせてもらうなど、次へとつなぐことができるのである。

 ただし、筆者の経験では、このようなコンシェルジュを店舗に置いているのはトヨタ、日産、ホンダ系ディーラーあたりなど、全体で見ればまだ一部のように見える。

 コンシェルジュ業務を通じて新車販売に興味を覚えて、新車販売業務、つまりセールスマンに転じるコンシェルジュも少なくないと聞く。

 超高級輸入車ブランドでは、店舗で車両販売するケースは少ない。相手となるお客が実業家など多忙な人が多いので、相手先に試乗車などを持ち込んで販売するスタイルがメインとなるので、日中は店舗にセールスマンがいることは少ない(あくまで筆者の経験の範囲)。そこである店舗では、セミリタイアしたようなセールスマン経験者とおぼしき老齢の男性が留守番代わりをしていたこともある。

 現状ではコンシェルジュは人間となっているが、将来的には生成AIを搭載したロボットに代わるかもしれない。ファミリーレストランですでに配膳担当として“ネコ型ロボット”が活躍しているのだから、それを完全に否定することはできないだろう。そしてその先にはロボットセールスマンが活躍する時代がくることはけっして夢物語でもなさそうである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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