韓国でレトロデザインと未来感が融合して「デボネア」が復活!? ヒョンデの「グレンジャー ヘリテージシリーズ コンセプト」が色々ヤバイ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■ヒョンデがグレンジャーを再解釈したEVコンセプトモデルを公開

■グレンジャーは2代目デボネアのノックダウン生産車だ

■当時のニュアンスをキャッチアップしながら現代的にアレンジされている

ヒョンデがリビルト&カスタムしたのは三菱の兄弟車!

 ここのところ新たなフォルム、スタイリングが軒並みカッコいいヒョンデですが、少し前に発表していたコンセプトカーというか、レストモッドモデルには目を奪われた方も少なくないのではないでしょうか。いうまでもなく、レストモッドは旧いクルマを再解釈して現代の技術でもってリビルト&カスタムをしたもの。ヒョンデが選んだのは、発売から35周年を迎えたフラッグシップモデル「グレンジャー」で、EVを前提とした再解釈を加え、スタイリッシュなコンセプトモデルとして仕立て上げたのでした!

 と、ここまで書いて「ムム!」となったのは、脳内に漂った猛烈なデジャブー(既視感)。ボクシーなフォルムや、オールドスクール感たっぷりなシックスライト、あるいは水族館の窓みたいなプレスドアなどなど、見れば見るほどイメージが具現化していき、ついに思い出しました。「不人気車ランキングで不動のセンター」的に扱われることの多い、三菱デボネアそのものではありませんか! と言いつつ、ヒョンデ(当時はヒュンダイ)・グレンジャーが2代目デボネアのノックダウン生産車だったことは良く知られた事実であります。

 1986年7月、2代目デボネアの発売に先がけてヒョンデ・グレンジャーが発売されました。これは、1988年に開催されたソウル・オリンピックに向けて、ヒョンデがVIP用高級車の要請を提携関係にあった三菱自動車に投げかけたことで実現したもの。ちなみに、このデボネアに搭載されたV6エンジンは同じく提携先だったクライスラーも欲しがったりして、自動車業界内では発売前からチヤホヤされていたわけです。

 グレンジャーは当初2リッターエンジンを搭載して発売されましたが、すぐさま三菱のV6を搭載したモデルを追加。その結果、韓国内でトップの販売台数となるなど人気街道まっしぐら。これに気をよくしたのは当然で、三菱自動車が3代目デボネアを開発すると、ヒョンデはすぐさま2代目グレンジャーとして再びノックダウン生産を開始。これまた売れに売れて、屋台骨を支え続けたといっても過言ではないようです。そんなモデルですから、ヒョンデにとってはノックダウンだろうと、なんだろうと思い出深いレジェンダリーモデルに違いありません。35周年を祝いたくなるのも、再解釈したくなるのも当然といえば当然。むしろ、三菱自動車は応援してあげてもいいくらいでしょう。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
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