超話題だけどイマイチ把握できていない人多数のEVメーカーテスラ! いま日本で買える「全ラインアップ」とその「性能」をまとめてみた (2/2ページ)

SUVモデルも魅力的!

 続いては、こちらもテスラの人気を押し上げた1台である、最大7人乗りのSUVとなる「Model X」。後席へのアクセスを良くするため、両側のリヤドアが鳥の羽のように上にあがって開く、ファルコンウイングドアが特徴的。最大2300kgの牽引能力を備えており、アウトドアレジャーの相棒としても頼れるモデルとなっています。

 グレードと価格は、ベーシックなデュアルモーターAWDの「Model X」が1446万9000円。速さを追求したトライモーターAWDの「Plaid」が1666万9900円。航続距離と速さはそれぞれ、「Model X」が航続距離576km(WLTPモード)、0-100km/h加速3.9秒。「Plaid」が航続距離543km(WLTPモード)、0-100km/h加速2.6秒です。「Plaid」は5人乗りと6人乗りのみで、7人乗り仕様はありません。日本仕様でもすべて左ハンドルとなっています。

 そしてサイズ的にも価格的にも身近なSUVとなるのが、「Model Y」。こちらは5人乗りのみですが、荷室スペースが大きくレジャーにもしっかり活用可能。天井が広大なガラスルーフで、室内は開放感いっぱいのSUVです。

 グレードと価格は、ベーシックな後輪駆動の「RWD」563万7000円、航続距離が長いデュアルモーターAWDとなる「ロングレンジAWD」652万6000円、同じくデュアルモーターAWDで速さを突き詰めた「パフォーマンス」727万9000円の3タイプ。航続距離と速さはそれぞれ、RWDが507km(国土交通省審査値)、0-100km/h加速6.9秒。ロングレンジAWDが航続距離605km(国土交通省審査値)、0-100km/h加速5.0秒、パフォーマンスが航続距離595km(国土交通省審査値)、0-100km/h加速3.7秒(ロールアウトを差し引いた値)となっています。

 この4モデルを比べると、もっとも加速が速いのはModel S Plaid、もっとも航続距離が長いのがModel 3のロングレンジAWDの689km(国土交通省審査値)。ライフスタイルや好みに応じて、パフォーマンスが選べるのがいいですね。

 そしてテスラの特徴の1つに、充電時間の短さが挙げられますが、その秘密がテスラ独自に開発、展開している「スーパーチャージャー」という超高出力な急速充電器。最新の「V3スーパーチャージャー」は最大250kWの出力を誇り、わずか15分で最大275km走行分が充電できるといいます。日本では、高級ホテルやショッピングモール、リゾート地や洗車場、レストランといった場所に続々と設置されており、2023年6月30日時点で79カ所/390基以上のスーパーチャージャーが稼働中。今後も増えていく見込みとなっています。

 このほか、日本が採用している急速充電器の規格「CHAdeMO」も、アダプターを接続することで使用可能。自宅で充電するためのウォールコネクターもあり、出力は最大9.6kWと、家庭用としては高出力。テスラ車が複数台ある家庭のために、最大6台のウォールコネクターを1つの回路で電力供給できるようになっています。さすがアメリカ生まれだけあって、スケールが大きいですね。また、家庭用蓄電池「Powerwall」の設置事業もおこなっており、自宅に導入すれば太陽光発電による余剰電力を貯めたり、自宅に電力を供給できたりと、いざという時にも安心のシステムです。

 そしてすべてのテスラ車に共通する魅力として、スマートフォンのアプリでドアのロック、アンロックをはじめさまざまな操作や設定ができること。インパネには大きなディスプレイが1つあり、ほとんどの物理スイッチがないシンプルさであること。充電中に楽しめるエンターテインメントやアクティビティが豊富に用意されており、ゲームのリモコンをつなげれば後席からもディスプレイでゲームが楽しめるところなど。既存のクルマでは夢のようだったことが、次々に実現していくところにもあります。

 また、イーロン・マスク氏はユーモアたっぷりでサプライズ好きであることから、ある日突然、隠しコマンドがテスラ車に配信されて、サンタクロースがやってきたり、クルマがダンスを踊ったりする仕掛けも過去に話題となりました。いつもワクワクさせてくれるテスラは、今後どう進化していくのか注目したいですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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