モデル末期でも2023年上半期ナンバー1はホンダN-BOX! 驚異の売れ行きも「これでいいのかホンダ」感が拭えないワケ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2023暦年締め上半期の車名別新車販売ランキングが発表された

■販売台数ナンバー1となったのはホンダN-BOX

■軽自動車にはただ売れればいいというだけではない難しさがある

2023年の上半期ナンバー1はホンダN-BOX

 登録車については自販連(日本自動車販売協会連合会)から、軽自動車については全軽自協(全国軽自動車協会連合会)から、それぞれの2023暦年締め上半期(2023年1月から6月)の車名(通称名)別新車販売ランキングが発表された。登録車に軽自動車を合算した「含軽」統計にて販売台数ナンバー1となったのは、11万2248台を販売したホンダN-BOXだ。

 N-BOXについて、過去の暦年締め上半期販売台数と比較すると、2022暦年締め上半期比約108%、2021暦年締め上半期比較約101%、2020暦年締め上半期比約110%、2019暦年締め上半期比約85%、2018暦年締め上半期比約88%となっている。比較の結果、コロナ禍が落ち着いていくなかで販売台数も回復傾向にあるものの、コロナ禍前までは回復していないといえる。

 ただし、N-BOXは年内にもフルモデルチェンジするのではないかともいわれている末期モデルなので、そのあたりを加味するとコロナ禍前の水準にほぼ戻りつつあるといってもいいかもしれない。

 含軽統計2位で登録車トップのトヨタ・ヤリスに約1.5万台差をつけてN-BOXはトップとなっている。ただし、N-BOXの次に含軽統計ランキングでは15位のフリードまでホンダ車は出てこないし、看板車種ともいえるヴェゼルが29位、ステップワゴンにいたってはベスト30圏外となっており、ホンダの新車販売ではN-BOXへの依存度がかなり高い「一本足販売」とでもいうべき状況が続いている。

 ホンダは2040年にICE(内燃機関)車の販売を全面的に終了し、BEV(バッテリー電気自動車)とFCEV(燃料電池車)に切り替えると発表している。しかし、ホンダ車のなかで一番売れているのはHEV(ハイブリッド車)も設定されていないN-BOXとなっている。2040年まであと13年、これを「まだ13年ある」とみるか、「もう13年しかない」と見るかは個人差のあるところだが、2040年までにICE車を全廃するとしているメーカーの動きとしては、どこかチグハグな部分も感じずにはいられない。

 トヨタ車販売トップのヤリスシリーズにはHEVがあるし、レンタカーなどのフリート販売を除けばHEVの販売比率が高い日産で、一番売れているノートはe-POWERのみとなっている。イメージとしては「ICE車をやめる」とはいっていないトヨタや日産のほうが、全面ZEV(ゼロエミッションビークル)化に近い存在になっているように見える。

 とくに日産は軽規格BEVのサクラが大ヒットしている。本来なら技術志向の高いホンダがいち早く軽規格BEVを発売していてもおかしくないと筆者は感じているので、N-BOXばかり売れるいまのホンダの国内販売には違和感を覚えざるを得ない。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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