ポルシェだらけのオークションが開催! トータルで17億円弱も売り上げた「気になる出品車」たち (2/2ページ)

ストーリーのある限定ポルシェはやはり大人気

 そのほか、クラッシックな1963年式の「356Bカレラ2」、1955年式356 1500スピードスター」といったモデルも、各々40万4375スイスフラン、36万5000スイスフラン(約6520万円、1884万円)という価格で落札された。

 さらに、限定生産された現代のポルシェの需要は依然として強く、たとえば2016年式の「911R」などには、32万5625スイスフラン(約5250万円)の値がついた。

 ちなみにトータルで418万7850ユーロ(約6億6490万円)を売り上げた、イタリアのミラノ中心部で開催された、2回目の「ザ・カレラ・コレクション」でもその傾向は明らかで、最高落札価格を記録したのは1997年式の「911ターボS」と、2010年式の「911 GT2 RS」の2台。

 その価格はいずれも42万1250ユーロ(約6530万円)と偶然にも同一だったが、ストーリーが面白いのは前者のほう。このターボSはポルシェが993世代のターボSをホモロゲートするために製作したプリプロダクションモデルで、その993世代の911ターボモデルがいかに大きな技術的な進化を果たして誕生したのかは良く知られるところ。その高性能版たるターボSは、336台のみが生産されたが、この出品車はその生産開始の6カ月前に完成。さまざまなプロモーション活動などに使用されたあと、ポルシェに保管されていたのである。

 サテン仕上げのアルミニウム製ドアシルには、テスト・ドライバーであったヴァルター・ロールのサインも残されている。もちろん現在のコンディションも抜群な一台だけに、ここまで高価な落札価格が実現したというわけなのだろう。

 出品車のヒストリーを知ると、オークションはますます面白くなる。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

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