N-BOXは新型公開もディーラーは「現行モデルを売りたい」! 「いいハズ」の新型に漂う「不安」とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■新型N-BOXが発表されたもののいまだ現行型はオーダーストップとなっていない

■新型移行直前の販売台数の落ち込みを抑えたいN-BOXはギリギリまで現行型の積極販売が続く

■セールススタッフは価格アップの可能性がある新型よりも現行型で商談をまとめたいと考えている

次期型登場も現行型を販売し続ける謎

 2023年8月3日にホンダは新型N-BOXの初公開を行った。リリースによると、2023年8月より先行予約受け付けも開始するとのこと。たまたま、この初公開の数日前にN-BOXを取り扱うホンダ系正規ディーラーであるホンダカーズ店でセールススタッフに話を聞く機会があったが、心中穏やかではないようであった。

 話を聞いた時点でもセールススタッフは「8月中には公開される予定……」と話していたので、スケジュールどおりに進んでいるようだ。

 ただ、公開して先行予約受け付けを開始しただけであり、正式発売は数カ月先となるようである。現行ステップワゴンやヴェゼル、ZR-Vなどでも行ってきた流れがトレースされるようだ。そのため、ホンダのウェブサイトにある「工場出荷時期の目途」によると、現行N-BOXの納期は2カ月程度とオーダーストップになっておらず、まだまだ現行型もバンバン販売していく様子がうかがえる。

 N-BOXは前述したとおり、国内新車販売トップの常連なので、新型車移行への端境期における販売台数の落ち込みというものは最小限度に抑える必要もあり、次期型発売までのギリギリのタイミングまで現行型の積極販売が続くものと考えている。

 新型となれば、販売にも勢いがつくのではないかと考えがちだが、販売現場で話を聞くと、「あくまでウワサ程度なのですが、次期型のカスタム系モデルが現行型よりおとなしいエクステリアになるのではないかという情報があります(話を聞いたのは新型公開前)。ステップワゴンのような極端なキャラクター変更とまではいかないようですが……」(前出セールススタッフ)。

 クルマ自体の完成度の高さには定評のあるステップワゴンだが、売れ行きはいまひとつ波に乗れていないように見える。フィットでもライバル各車がエッジの利いた顔つきを採用しているのに対し、カワイイ路線ともとれる顔つきを採用し販売苦戦傾向が目立っている。販売現場ではフィットやステップワゴンのトラウマがあるようにも感じた。

「現行ヴェゼルは先代モデルに比べると、結構見た目が変わったモデルといえます。現行ヴェゼルが登場したときに先代ヴェゼルユーザーさまを中心に、新型ヴェゼルの購入を検討しているお客さまのなかから、『これならフルモデルチェンジ前の在庫が欲しい』という声が目立ち、実際に在庫車探しに苦労しました」と続けた。

 初代から2代目ではボクシースタイルとともにイメージも継承し、現行N-BOXのスタイルはすでにN-BOXとしてアイコン化しているので、次期型もそれを踏襲するものと考えるのが一般的。公開された次期型もボクシースタイルは継承しているが、外観のイメージからは、スズキ・スペーシアやダイハツ・タントに近寄ったイメージを感じてしまうのは筆者だけだろうか。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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