いつになったら普通に買えるんだ! 発売から数年たっても「ランドクルーザー」と「ジムニー」の納期が年単位なワケ (2/2ページ)

ジムニーもいまだに1年待ち

 ジムニーの納期遅延も同じパターンだ。

 現行ジムニーの投入は2018年7月で、この時点ではコロナ禍ではなかった。それでも納期は1年以上に達していた。

 そこでスズキはジムニーとジムニーシエラの増産を行った。ジムニーの場合、2018年の発売直後は、1カ月の平均届け出台数は約1800台だった。それが2019年の1カ月平均は約2500台、2020年はコロナ禍ながら約3200台に増えて、2021年は約3300台、2022年は約3450台に達した。

 このように、ジムニーの直近の販売台数は、発売直後の2倍近くに増えた。それなのに納期は縮まらない。販売店では「メーカーも生産台数を増やしているが、それに伴ってお客様からの注文も増えている」と言う。ジムニーには潜在的な需要が相当に多いと考えられる。

 スズキの関係者は「海外で発表されたジムニーシエラ5ドアを国内で売らないのか、と尋ねられるが、まずは既存の車種の納期を短くすることが先決だ。そうしないと納期をさらに延ばしてしまう」と述べた。

 それなら思い切った増産を行って、ジムニーシエラ5ドアも発売すれば良いと思うが、そこにはリスクも生じる。生産ラインを大幅に増やしたら、その後も同様の生産ペースを保たないと、過剰な設備を抱えることになるからだ。増産すると後には戻れない。とくに今後は電気自動車も加わるから、需要の予測も難しくなっている。納期の遅延は今後も続くだろう。


渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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