中国の自動車には「中国製部品」を使うべしとの報道! 中国の政策が日本メーカー及ぼす少なからぬ影響 (2/2ページ)

日系メーカーも中国事業戦略を考え直す時期かもしれない

 そしていま、前述の一部報道にあるような、EV関連の電子部品に対する中国での国産化が強化されようとしている、との見方が出てきた。

 これまでも、中国の電動化戦略については、中国政府が国内と海外における技術動向を集約して国としての戦略を描くという流れであった。国が国家戦略として大きな将来構造を描き、それに中国地場メーカー及び中国地場と外資メーカーとの合弁会社が対応してきた。そこに、日米欧の自動車部品や電子部品のメーカーが自社製品を売り込む形だ。

 それが、国家戦略としてのEVシフトのなかで、EV関連の電子部品を中国で国産化する動きへと転じるとしても、なんら不思議ではない。

 これまでの中国政府の自動車産業育成の方法を振り返ってみる限り、そうなることを、外資メーカー各社も十分に予想していたはずだ。

 仮に今後、中国で生産・販売する半導体を含めたEV関連の電子部品が中国国産化されることになった場合、日系自動車メーカーや日系自動車部品メーカーとしては、自社技術を持つ中国地場での事業のあり方を見直すことも考えられるだろう。

 また、自動運転技術でも現状、中国における法規や技術は外資メーカーにとって半ば「ブラックボックス」という認識が、日系自動車メーカー側にある。

 EVについても今後、日系自動車メーカーや日系自動車部品メーカーは、「中国はブラックボックス」という”割り切り”を前提とした、グローバル事業戦略を立てざるを得ない状況になるのかもしれない。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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