自動車ライターってぶっちゃけ「食って」いける? 「どうやってなるの?」も含めてリアルをお伝え! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■自動車ライターになる方法をフリーランスのライターが解説

■自身で営業をしないといけないほか、駆け出しのころは金銭面でキツいことも多々ある

■住宅ローンなど大きな買い物をする際は不利になることも多い

クルマ好きの天職!? 「自動車ライター」への道!

 自動車ライターになるには資格はいりませんし、免許もありません(Webライティング能力検定や技能検定などの各種資格はあります)。自分で名刺を作り「自動車ライターの○○○です」と配り歩いてもOKです。つまり、「自己申告制」です。そういう点ではYouTuberに近いかもしれません。

試乗風景

 自動車ライターを名乗ること自体、ハードルが低い分、新規参入する方も多く、ライバルもたくさんいます。では、並み居るライバルたちを退け、仕事を受注するための方策とは? フリーランスの自動車ライターって「食っていけるのか?」にも触れています。

■フリーランスの自動車ライターになるためには?

「待っていればいつか仕事の依頼がある」ということはほぼありません。狩りと同じで自分で仕事を取りに行く必要があるのです。自動車ライターとして仕事を獲得するにはいくつかの方法があります。

●メディアの編集部員として就職する

 個人的にはこれが一番の近道なように感じます。正社員として就職できれば生活も安定しますし、仕事を覚えながら社内外に人脈を作りつつ、ライティングをはじめとするライターに必要なスキルを磨いていけます。

WEB CARTOP井上

●とにかく営業をかける

 ライターを募集している・していないに関わらず、メディアの問い合わせフォームなどを通じて「ライターとして記事を執筆したい」という意思を伝えます。何らかのテスト(課題文の提出など)があり、その試験をクリアすると、晴れてライター陣として迎えられます。

●自分自身で発信してみる

 ブログやX(旧Twitter)、noteなどを活用して「自分はこんな面白い記事や文章を書いて(書け)ます!」とアピールをするのも有効です。運良く編集担当者などの目に留まると、向こうから原稿依頼のオファーがくることも(本当に)あります。自身のホームページを立ち上げたり、ブログやnoteで記事を書きためておくと、応募するときのポートフォリオとして役立ちます。

原稿作成イメージ

●ツテをたどる

 日頃から「俺(私)ライターをやってみたい!」とアピールすることで、友人・知人でメディア関係の仕事をしている人を紹介してくれる可能性が高まります。紹介っていつの時代も強いです。無事に仕事を受注したあと、継続して受注できるかはあなたの腕次第です。

■フリーランスの自動車ライターに必要なスキルとは?

●文章力

 何をもって文章力の有無を判断するか難しいところではありますが「読みやすい文章か」、「読んでいて疲れない文章か」はひとつの目安になります。自信がない場合はライター養成講座を受講するのも手です。しかし、受講したからといってすぐに仕事につながるわけではないので、時間と資金に余力があれば……くらいがいいと個人的には思います。

原稿用紙

●締め切りを守る

 もはや自分のことを棚に上げていますが、締め切りを守れることはかなりの強みになります。それだけ守れないライターさんが多いのです(筆者もたまに遅れます。関係者の皆さま、いつもすみません)。遅れそうな場合は締め切り前に「遅れることのお詫び」と「いつまでに納品できるか」具体的に伝えてフォローするだけでも印象が変わります。

●記事テーマの企画提案ができる

 編集部からテーマをもらわないと原稿が書けないなんて言っていられません。自分でテーマを考え、提案し、原稿を書いて仕上げる。自分自身で記事テーマの企画提案ができて、なおかつ編集部から依頼のあったテーマにも対応できるハイブリッドタイプだと重宝されることが多いです。

取材風景

●明確な得意分野があると強い

 イベント取材はお手のもの、メカに関する知識や、イタフラ系に強い、旧車系に強いなど、明確な得意分野があると強いです。編集者から「この分野ならこの人!」と認知してもらえるようになればしめたものです。

●「プラスアルファ」のスキルがあるとさらに強い

 原稿が書けることに加えて、イラストが描ける、撮影と執筆をセットで依頼できる(”カメライター”なんて言われています)、動画が撮影できる、幅広い人脈……など「プラスアルファ」の要素があるとさらに強いです。すぐには思い浮かばない……というのであれば、とにかくレスポンスの早さにこだわってみてください。返信が早いことも重要なスキルです。

カメラマンの撮影風景

●人として付き合いやすい

「なんだそんなことか」と思うかもしれませんが、これもかなり重要なスキルだと感じています。いくらいい原稿が書けても、気難しい、気分にムラがある、とっつきにくい……など、編集者の方に面倒な相手だと思われると仕事をまわしてもらえなくなることも。人として付き合いやすいことも重要な要素です。

■フリーランスの自動車ライターに向いている人と向いていない人の違いは?

●向いている人

○文章を書くのが好き:これに尽きます。

○調べることが好き:分からないことはすぐに調べてみる習慣がある方はライター向きです。

○客観視できる:一歩引いて見られるかどうか。

○鋼のメンタル:鈍感力とも。某コメント欄で「フルボッコ」にされることもありますし……。

○柔軟さ:「自分はこれしかできません」だと仕事の幅が広がらないので。

○レスポンスが早い:早ければ早いほどいいです。遅くとも「24時間以内に!」が鉄則。

○謙虚さ:編集者の修正依頼(下手をすると全文リライトもありえます)に対して素直に受け容れられるかどうか。

●向いていない人

○上から目線気味:他人から指摘されたことがある方はとくに。

○批判・否定が多い:普段からSNS等で批判や否定の書き込みが多い方は要注意です。

○他人の評価が気になる:先述の某コメント欄を真に受けるとメンタルをやられます。それくらいヘコむんですよ……。

○自己顕示欲が強すぎる:自分の名前を売り込みたい気持ちはわかりますが、ここは謙虚に。

○こだわりが強すぎる:必要以上にこだわりすぎると、書いていて辛くなります。適度なゆるさも必要かと。

○レスポンスが遅い:これは致命的。とにかく返信は早く!!

○「根拠のない自信」が捨てられない:自己評価やプライドが高いとが足かせになることが多いです。


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

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