「新車販売じゃ食っていけない!」 新車ディーラーなのにいま稼ぎ頭は「中古車販売」に移行しつつあった (2/2ページ)

中古車の価格設定は販売する側の裁量が大きい

 一方中古車だと値付けにある程度の「蛇腹」が存在する。中古車は「古物」という扱いになり、それこそテレビの鑑定番組に出てくるような、陶磁器や絵画、書画と同じ扱いになる。そのため同年式同型車であっても、ボディカラーやオプションの有無、走行距離や内外装の傷みなどで販売価格は異なってくる。そのため価格設定は販売者側(つまりディーラー)の裁量権が増すし、値引きはあっても新車とは異なりかなり限定的となるので、新車を販売するよりは「コスパ」がいいのである。

 アメリカの新車販売業界ではすでに10年以上前あたりからこの傾向が目立っている。理由は日本と同じく、新車販売による利益が微々たるものになったからだと聞いている。筆者が南カリフォルニアで定点観測している、新車ディーラーが集中して出店している「オートモール」へ行くと、どのディーラーもロードサイドには中古車を展示している。しかも自社取り扱いブランド車は少なく、ブランドの垣根をこえた人気中古車をそれぞれ下取り車やオークションで落札して展示している。そんな感じなので、中古車街にきたかのような錯覚に陥ってしまう光景が広がっている。

 すでに新車ディーラーでの中古車販売強化の動きによる影響のようなものが出てきているとは事情通。

「中古車市場に程度の良いタマ(車両)が流通しにくくなりました。『こいつは!』という程度の良いタマはまず新車ディーラーの新車販売店舗で押さえて転売しているようです。新車販売店舗からこぼれたタマは、ディーラー系中古車センターに並ぶようです。そこからもこぼれたタマが中古車オークションに流れてくるようです」とのこと。

 このような流れには別の理由があると続けた。「少し前に話題になった、某大手買い取り&中古車販売業者のスキャンダルが影響しております。このスキャンダルの影響で、当該業者以外の大型中古車販売業者への客足も減っているようなのです。『同じことをやっているのではないか』と思い込む人が意外なほど多いからだそうです。そのような人たちが、信頼できるとして、メーカー系新車ディーラーへ出向き中古車の問い合わせをしたり、ディーラー系中古車センターで中古車を買うようになってきたそうなのです」と説明してくれた。

 新車ディーラーとしては、収益の良い中古車へ目を付けたところに、消費者もメーカー系新車ディーラーでの中古車購入に着目してきたということで、まさにタイミングよく新車販売から中古車販売強化へ動くディーラーも出てきているようである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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