長距離移動も苦にならない快適なグランドツーリングスーパーカー! マクラーレン「GT」の後継モデルとなる「GTS」を公開 (2/2ページ)

635馬力のV8をミッドシップ搭載するGTカー

 前後のホイールも今回新たに採用された10スポークデザインの軽量鍛造アロイホイール「ターバイン」。標準のボルトに対して35%も軽量なチタン製ホイールロックボルトをオプションで設定するなど、軽量化へのこだわりは他車と変わらない。

 GTSの基本構造体は、もちろんカーボンファイバー製のモノコックで、「モノセルII-T」と呼称されるもの。マクラーレン製のスーパーカーに求められる強度、超軽量構造、剛性を誇るとともに、ルーフには再生カーボンファイバーを使用するなどの特徴を持っている。これによって最軽量乾燥重量では1456kg、DIN車両重量(フルード類に90%の燃料を搭載した状態)でも1520kgという軽量さを実現しているのだ。

 ミッドに搭載される4リッターV型8気筒ツインターボエンジンの最高出力は635馬力と、GTと比較して15馬力の向上にとどまっているが、それでもパワーウェイトレシオはセグメントトップの418馬力/tを誇っている。

 このエンジンに組み合わされるミッションは7速のSSG(シームレス・シフト・ギアボックス)。スタート時のデフォルトはコンフォートで滑らかでシームレス、そして素早い変速が特長。そして、ドライバーはさらなるドライビングエクスペリエンスを体験するため、スポーツとトラックの両モードをアクティブ・ダイナミクス・パネルで選択することができる。スポーツモードは瞬間的なイグニッションカット技術によって、より速くアグレッシブなシフトを実現。トラックモードではこれをさらに一段階高め、ギアボックスのパフォーマンスを最大化しつつ、シフト間のトルクロスを最小限に抑えるという。

 これも軽量なアルミニウム製ダブルウイッシュボーン式サスペンションには、新たにマクラーレンのオフィシャル・インテリジェント・サスペンション・サプライヤーとなった、モンローから供給される連続可変ツインバルブ式油圧ダンパーを装備。こちらもコンフォート、スポーツ、トラックの3段階にセッティングを調節できる。

 オンロードの走行で特に役立つフロントの車両リフトに必要な時間は、大幅に短縮され4秒を実現。GTSは450Lのリヤカーゴエリア、そして150Lのフロントカーゴエリアの存在も含め、非常に実用的なスーパーカーに仕上げられているのだ。

 上質なキャビンもまたこのGTSでは大きな見どころのひとつ。デラックス仕様やパフォーマンス仕様の選択が可能であるほか、10.25インチのデジタルインストゥルメントディスプレイ、7インチの縦型タッチスクリーン式インフォテインメントシステムも新採用された。

 スーパーカー市場のなかでも、独特なポジショニングを持つマクラーレンGTS。はたしてそれはカスタマーから、どのような評価を受けることになるのだろうか。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
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