日産キックスとは? 特徴、魅力、e-POWERやライバル車について解説 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2020年から発売されたキックスは日産のコンパクトSUV

日産キックスの歴史や特徴について解説

■日産キックスのライバル車種についても紹介

日産キックスとは?

 2020年から販売を開始したキックスは、日産自慢のe-POWERを搭載したコンパクトSUV。世界戦略車として開発され、南米市場を皮切りに中国、アメリカ、インド、東南アジアなどで発売された後、満を持して国内販売が開始されました。

 海外仕様にはガソリンエンジン搭載車が用意されるものの、国内仕様のパワーユニットはe-POWERのみを用意。また、Vモーショングリルを採用したフロントマスクも海外仕様とは異なる専用デザインです。

 キックスは全長4290mmとコンパクトなボディながら広い室内を有していること、またe-POWERがもたらすレスポンスの良い走りを備えていることで評判となりました。

 デビュー翌年の2021年は3万44台を売り上げ新車販売台数20位にランクイン。2022年は1万8697台(同28位)、2023年は現在までに1万1186台といまいち振るいませんが、コンパクトSUVの人気車種であることは間違いありません。

日産キックスの歴史

 キックスと聞いて「キックスって、たしかパジェロミニのOEMだったよね」とイメージする方もいるでしょうが、今回のテーマとは別の車種。現行キックスの生い立ちを紹介していきましょう。

 そもそも日産のコンパクトSUVといえば2010年に登場したジュークをイメージする方が多いのではないでしょうか。個性的なスタイリングとシャープな走りを備えたことで人気車種となったジュークでしたがネックとなったのが室内空間。デザインに特化したことでとくに後席のスペースが狭くなりました。

 同クラスのSUVには後席の広さを求めない欧州市場は別として、ジュークはSUVとして重視される室内空間を備えていなかったことでグローバルでの展開ができる新たな車種を日産は計画。それがキックスとなります。

 先代ノートと同じプラットフォームを用いたコンパクトSUVへと最適化。世界中に拠点を持つ日産の各デザインスタジオがグローバルコンペを行い仕立てたSUVらしいデザインを身につけたキックスは、2016年にブラジルでデビューしました。

 デビュー後、2017年に中国、2018年に北米、2019年にインドと海外市場で販売を開始し、2020年に国内仕様の生産拠点となるタイでe-POWER搭載車の発売が開始された後、同年6月から日本での販売が開始しています。

 国内仕様は2022年にマイナーチェンジを実施。現在も販売が続けられています。

日産キックスのスペック

 キックスの各スペックは以下の通り。ライバル車よりコンパクトな4300mmを切る短い全長が特徴です。

日産キックスのスペック

日産キックスの特徴・魅力は?

小さなSUVにもかかわらず高い実用性

 キックスの大きな特徴といえば広い室内空間です。コンパクトカーにおいてクラストップの広さを誇る先代ノートをベースに全長とホイールベースを延長。SUVとして最適化したことで、コンパクトなボディながら使い勝手の良い空間に仕立てられました。

 同クラスのライバルと比べてリヤシートが広いキックスですが、先代ノートと比べると後席は100mm前方へ配置しています。これは、SUVに求められるラゲッジスペースを確保するためで、その結果、423Lと大容量空間を実現しました。

日産キックスのリヤシート

 先代ノートと比べ前方へ配置された後席ですがスペースは広々。中央席の座り心地も悪くないのは5名乗車時にうれしいポイントです。

日産自慢のe-POWERを搭載

 キックスのパワーユニットは全車e-POWERを搭載しています。

 e-POWERとはシリーズ式のハイブリッドシステム。エンジンが発電機をまわすことで生まれる電力をバッテリーに充電し、バッテリーから送られる電力や、バッテリーがいっぱいのためエンジンから直接送られる電力を使いモーターをまわしタイヤを動かすシステムです。

 キックスには1.2リッターエンジン(HR12DE型)にモーターを組み合わせたe-POWERを搭載。エンジンは最高出力82馬力(60kW)、最大トルク10.5kgm(103Nm)、フロントモーターは同129馬力(95kW)、同28.6kgm(260Nm)を発揮します。

日産キックスエンジンルーム

 いずれもベースとなった先代ノートより出力は向上。燃費も23.0km/L(FF/WLTCモード)と高い燃費性能を誇ります。

精悍な表情を備えたエクステリアデザイン

 先程お伝えしましたが、日本仕様のキックスはグローバルモデルと異なる外観を採用しています。

 なかでも大きく異なるのがフロントマスク。グローバルモデルと異なり、パワーユニットにe-POWERを搭載することで、プレミアム感を重視したデザインとなりました。

 具体的に説明すると、日産のデザインテーマ「Vモーション」グリルを採用。薄型のLEDヘッドランプを組み合わせることで、高級感とワイド&シャープさを強調しています。

 また、フロントだけでなくリヤバンパーも専用デザインに変更。プレミアム感を備えた造形となりました。

質感の高さが自慢のインテリアデザイン

 インテリアで目を惹くのは、インパネに配したシートやトリムと同色のソフトパッド。ダブルステッチで仕立てられるなど高級感も備えました。

 内装色はブラックをはじめ、スタイルエディション&ツートーンインテリアエディションにはブラウン、ベージュ、オレンジタンを用意。オレンジはポップに、ブラウンやベーシュはシックで高級感ある内装に見えます。

 インパネ中央に配した専用デザインの9インチナビも個性的。モダンな印象を与えつつ、操作性の良さも実現しました。

 また、収納スペースも豊富に用意。センターコンソールにあるドリンクホルダーは、ペットボトルや缶飲料だけでなく紙パックのドリンクも置くことができます。

軽快でフィーリングが良い走行性能

 e-POWERを搭載したキックスの走りは、モーターの特性となるリニアな加速やドライバーの操作に対するレスポンスの良さを備えています。

 そんな走りを支えるシャシーもボディ各部を補強したことで剛性も高く安心してドライブできるボディを実現。また、e-POWERの特徴となる静粛性をさらに高めるため、室内各部に吸遮音材を施しました。

 先程からお伝えしているように先代ノートとプラットフォームを共有しているキックスですが、パーツ各部を専用設計。フロントサスペンションメンバーなども専用設計としたことで、剛性とノイズの低減を実現しています。


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