いまさら聞けないノッキングとは? 原因や対策を徹底解説 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■エンジンの異常燃焼によりクルマにノッキングと呼ばれる症状が出ることがある

■最悪の場合、ノッキングによってエンジンが破損してしまうこともある

■ノッキングの原因や対策について詳しく解説

ノッキングとは?

 エンジンから「カラカラカラ」とか、「キンキンキン」とか、あるいは「ガラガラガラ」という音が出ることがありますね。それがノッキング音というものです。よく耳にするのは、低回転でアクセルペダルを踏み込んだ瞬間というのが多いケースだと思いますが、高回転までまわしていくときに音が出たりする場合もあります。どちらにしても異常燃焼によって発生します。

 ノッキングは異常燃焼なので、音が出るだけでなく、振動も発生します。またエンジン内部が高温になってしまったり、場合によっては破損することもあります。

 しかし、性能や効率を考えると、ノッキングが発生するギリギリ直前の状態がベストなので、一般的にはノッキングセンサーを装着し、ノッキングが発生しそうな状態、あるいはノッキングが発生したら直ちにエンジンコンピューターが補正をする、というのが常識になっています。

 ガソリンエンジンではシリンダーのなかの混合気(空気とガソリンが混じったもの)に、適切なタイミングで点火プラグに電気を流して燃焼させます。しかし、何らかの原因で点火プラグとは無関係に燃焼してしまうことがあります。それがノッキングなんです。

 ノッキングが発生するためには、まず混合気の圧力も温度も高い状態が必要です。エンジンの圧縮比が高いと当然、混合気の圧力や温度も上昇しやすくなり、結果としてノッキングが発生しやすくなります。

 エンジンの圧縮比というのも、ある程度までは高いほうが効率が良くなります。マツダがスカイアクティブGで14という圧縮比を可能にしましたが、現状の技術では14前後がガソリンエンジンの上限ということのようです。つまり、高い圧縮比を可能にするために、ノッキングの限界を引き上げるような設計が必要になります。直噴というシステムも、そのひとつということができます。

ノッキングのおもな原因

 先程お伝えしたように、エンジン内部での燃焼サイクルに異常が発生しているのがノッキング。その要因はプラグの劣化など点火系の故障や、燃焼室に溜まったカーボンによる異常燃焼、ハイオク指定の車種にレギュラーガソリンを入れてしまいノックセンサーで補正してくれない場合、などなどが挙げられます。

 また、エンジンのピストンの摩耗やガスケット類の劣化が原因でエンジンオイルが燃焼室に入ってしまうトラブル(オイル上がり&下がり)もノッキングの原因となると考えられます。

ノッキングの症状の種類

1)カーノック

 ノッキングの一種であるカーノックとは、エンジン出力の異変により車体が前後に揺さぶられる現象をそう呼びます。カーノックの要因はエンジンの着火不整が主な要因。あと、旧車であればキャブレターの動揺も原因のひとつです。

 また、MT車の場合、エンジン回転数の少ないときの走行やクラッチペダルの操作ミスでも同じような症状が見受けられます。

2)プレイグニッション

 エンジン燃焼室内のスパークリングプラグや排気バルブが高温となることでプラグ点火前に着火してしまい、ノッキングの要因となるのがプレイグニッション。

 プラグの点火時期が早まった状態になることでノッキングが起こるのですが、振動により燃焼室がさらに高温になるとプレイグニッションが連続して起こり、ますますノッキングが強くなる悪循環が起こる可能性もあります。

3)デトネーション

 エンジンのシリンダー内では通常、火炎伝播時に発生する未燃焼ガスは中心部よりシリンダー壁側に広がりながら燃焼されます。が、その未燃焼ガスが通常の火炎伝播より異常に速い伝播速度で燃焼。その衝撃波がシリンダー壁やピストンを叩く音で発生するのがデトネーションです。

 ノッキングとは異なる現象ともいわれますがエンジンに悪影響をおよぼす状態であることは間違いありません。


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