庶民を守る「ガソリン価格引き下げ」のためのトリガー条項って何? 価格高騰で条件は満たすも発動されない謎 (2/2ページ)

条件を満たしているのに発動されない!

 簡単にいうと、ガソリン価格のおよそ50%ほどにもなる税金の半分を一時的に免除することで、価格高騰を抑えるのがトリガー条項。じつはガソリンにかかる税金には「揮発油税」と「地方揮発油税」というのがあり、1リットルあたり合計で53.8円がその税金です。しかも、このうち25.1円が本来の課税額に上乗せされているのです。軽油の場合は、地方税である「軽油引取税」が1リットルあたり32.1円課税されており、このうち17.1円が上乗せ分となっています。

 トリガー条項とは、全国平均のガソリン小売価格が1リットルあたり160円を3カ月連続で超えた場合、この上乗せ分を自動的に減税するという仕組み。その代わり、3カ月連続で130円を下まわると、今度は上乗せ分の課税が復活します。

 ところが政府は、2011年に起こった東日本大震災の復興財源を確保するためにこのトリガー条項を凍結していて、現在もそのままになっています。おかしくないですか? 170円を超えたら最大5円を補填って、すごいことしてるように聞こえますが、このトリガー条項が復活してくれたら、160円を越えれば25.1円が減税されて、134.9円になるはずなのに……。

 現在、ガソリン価格の高騰が収まる気配を見せないなか、生活者の負担軽減のためにこのトリガー条項の凍結解除を求める声が大きくなりはじめ、自民、公明、国民民主の3党で協議が行われていましたが、岸田内閣の地盤がゆるみつつあるなか、協議は停滞。ぜひ、再会して実現の方向に進めてほしいですね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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