スーパーカー大王が選んだのは箱根の山中でクラッシュしたクルマ! 【史上最高の国産車と輸入車を挙げてください 山崎元裕編】 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■世界中でスーパーカーに触れてきた山崎元裕氏がこれまでで最高だと思う国産車と輸入車をチョイス

■国産車は人生で初めて手に入れたクルマを挙げた

■輸入車では奇才が手がけた珠玉のスーパーカーを選択した

スーパーカー大王が選ぶ史上最高の国産車と輸入車とは

 史上最高の名車を国産車と輸入車から、それぞれ1台ずつ選びなさい。簡単なようでじつに難しい質問である。あとで紹介するが、輸入車というか外国車は簡単に決まった。これしかないと自信をもって断言できるモデルをチョイスすることができた。

 問題は国産車のほうだ。子どもの頃から慣れ親しんだ国産車。史上最高の1台を決めようと思えば思うほどに、過去の記憶がよみがえり、その候補は膨大な数になってしまうというのが現実なのだ。これは難しい。
ということで、史上最高の国産車を決める条件のひとつは、どれだけそのクルマに対して熱い感情を抱いたのかで決めることにした。それはすなわち自分が人生の最初に買ったクルマ。

 長い間、そのカタログや自動車雑誌、あるいは実車を見て憧れ続けた1台こそ、個人的な史上最高の1台としてその名を挙げてもよいのではないか。

 時代は1969年にまでさかのぼる。この年の東京モーターショーで発表されたコンセプトカーの「トヨタEX-1」こそが、子ども心ながら最初に強い衝撃を受けたモデルだった。そして史上最高の1台となったのは、このコンセプトカーをベースに1970年に誕生した、「初代セリカ(TA20型)」である。

 のちにこのセリカにはハッチバックを備えるリフトバック仕様も追加されるが、自分にはそれよりキャビンがコンパクトでスポーティな感覚が強かったクーペがお気に入りだった。

 そのセリカの最強版は、現在でもファンが多い2T-G型エンジンを搭載するGTだった。さらに、1972年には装備を簡素化し、専用のスポーツサスペンションやワイドタイヤなどを装備したGTVも加わった。GTVはレースでも活躍し、将来的に自分でクルマが買えるようになったら、「絶対にこのセリカGTVを手に入れる!」と誓ったことは、いまでも忘れてはいない。

 そして実際に1981年、自分はこのセリカGTVを購入。半年後には箱根の山中でクラッシュするという、泣くに泣けない悲劇を演じてしまうのだが……。それでもTA20型セリカこそ史上最高の国産車だったと断言したい。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

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