充電残量を心配しつつ走るのは心の健康によくない! 【私がEVを買わない理由 山崎元裕編】 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■なぜEVを買わないのかその理由を真剣に考えてみた

■充電インフラが十分ではない現在はとにもかくにも電池残量が心配で心の健康上良くない

■EVを買わないのは現在のEVの弱点を総合的に判断した結果だが、数年後には状況が変わっているかもしれない

どうしても充電のことが気になって心が休まらない

「なぜあなたはEV(電気自動車)を買わないのですか」。

 人は自分のことをどう思っているかわからないけれど、ストレートに一発でアタマを打ち抜かれたような質問でした。ちなみに私の仕事はモータージャーナリスト、人によっては自動車評論家とも呼ばれるし、いずれにしてもこれは新しいテクニカルトレンドには常に敏感でなければならない商売。

 ならば当然のことながら、自宅にはすでにEVの1台くらいあって当然というのも、普通の方々のイメージなのかもしれません。

 EVとは、一日のルーティンワークをこなしたら、夜は自宅で寝るものなり。どうやらいつのまにか自分で勝手に作ったこの格言が、私自身をEV離れへと導く根本的な理由になっているようです。

 改めて考えてみましょう。EVをいわゆる自家用車として所有する場合に、もっとも大きな問題となるのは充電の利便性。ガソリンやディーゼルといった内燃機関を搭載する自動車ならば、早朝から営業しているサービスステーションも多くあるけれど、EVの場合は充電量が心もとないのでは、出発する気分にもなれません。

 そう、自宅に充電器がなければ、人間が寝るのと同じようにEVも夜のうちに充電しておくというもっとも基本的なタスクさえ、こなすことができない代物なのです。

 最近のEVは、バッテリーの搭載量も増え、それに伴って最大航続距離も増えていく傾向にあるけれど、それでもインパネの残電量メーター(こんな表現でいいのかな)は心の健康上良くない。それが半分を切ってきたころからは、次にどこの充電スポットでチャージができるのかを、ドキドキしながら考え始め、いざそこに到着すれば、平均してそこから30分は充電タイム。さらに先に利用者がいればその待ち時間だって加わります。

 約束があるときなどには、どうしてもEVだと時間が読みにくいという弱点もありますね。待ち合わせは1回のフル充電で行ける範囲内で。それが基本になるでしょうか。帰りのことは知らないけれど。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

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