1012馬力の「怪物アストン」の開発が最終段階! 999台限定のPHEVハイパーカー「ヴァルハラ」は激速なのにエコなマシンだった (2/2ページ)

CO2エミッションに優れるこれからの時代を生きるハイパーカー

 もう一度ボディデザインに話を戻そう。アストンマーティンのデザインチームが、ヴァルキリーのようなアグレッシブなディテールを採用することなくヴァルハラのスタイリングを完成させていることは画像でも確認できるところ。

アストンマーティン・ヴァルハラのサイドスタイリング

 フロントエンドのグリルはアストンマーティンの伝統的な手法をハイパースポーツ流に再解釈したもので、ほかにはフロント、リヤ、サイドの造形や、ルーフ上のエアインテークなどがアイコンとして視線を集める。

 エグゾーストシステムが上方排気であることや、やはりカーボンファイバーで成型されるディフューザーも、リヤビューでは大きな特徴といえるディテールだ。

 ミッドに搭載されるエンジンは、当初はV型6気筒も計画されていたようだが、さまざまな検討の結果、結局メルセデスAMGから供給される4リッターのV型8気筒ツインターボに、400Vアーキテクチャーによる2基のエレクトリックモーターを組み合わせたPHEVとなった。

 エンジン自体は812馬力の最高出力を誇り、同時にレスポンス性にも優れたフラットプレーン型(180度プレーン型)クランクシャフトを採用したもの。また、2基のエレクトリックモーターは、前後に搭載され合計で200馬力のエクストラパワーを生み出す。システム全体の最高出力は1012馬力だ。

 組み合わせられるミッションは完全新開発の8速C-DCT。リバースはエレクトリックモーターを利用するためギヤが不要となり、またエンジンとリヤのエレクトリックモーターはDCT内で異なるギヤを選択できるため、その最大トルクは1000Nmを得ることが可能になっている。

 PHEVのヴァルハラでは、もちろんゼロエミッション走行もできる。実際にそれが可能な距離はわずかに15km、最高速は130km/hまでとなるが、WLTPによる計測値では、CO2エミッションは200g/km未満を予測。その一方で2.5秒の0-100km/h加速と350km/hの最高速を実現するのだから、これは間違いなくこれからの時代を生きるハイパーカーと呼ぶにふさわしい一台だ。

 ちなみにこのヴァルハラは999台が限定生産される予定となっている。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
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