水の上でもポルシェはポルシェ! マカンEVのシステムを搭載したボートはそこらの金満ボートとはひと味違う (1/2ページ)

この記事をまとめると

ポルシェは新型マカンのパワートレインを使用した電動ボートを発表した

■ボートを作るのはポルシェと関係のあるオーストリアの老舗メーカーの「フラウシャー」

■エンジンボートよりも安定性や旋回性が向上している

ポルシェが作った電動ボート「eBoat」

 スーパーカーのブランドや、その他のラグジュアリーブランドが軒並みゴージャスなボートをリリースしていることご承知のとおりです。ぶっちゃけ、ブランドネームをかさに着て「高けりゃ自慢しやすいでしょ」という金満臭がプンプンするものばかりです。むろん、性能の良さも売りにしていなくもないのですが、時世にフィットしているとは到底思えません。

 そこへいくと、ポルシェが作った電動ボートはサステナビリティを第一義と声高に訴えていたりして、なかなか目ざといプロダクトかと。しかも、パートナーがオーストリアの老舗ボートメーカーとくれば、ちょっと興味もわいてきます。

 ポルシェは親会社のフォルクスワーゲンと足並みをそろえて、ラインアップのEV化を推進しています。たとえば、2024年にマカンが欧州で販売停止になったのは、セキュリティ対応という課題もさることながら、代わりに発表された新型EVマカンがあるからこそ。

 実際、マカンのEVシステムは次世代レベルのパフォーマンスだと噂されており、フォルクスワーゲンとの共作というよりポルシェが先導して開発を進めているといったほうが正しいようです。

 で、このEVマカンのシステムが優秀らしく、ポルシェ首脳陣はプロモートの一環として「eBoat(電動ボート)」プロジェクトにゴーサインを出したのです。これには次世代マカンの開発責任者のイェルク・ケルナーも加わることになり、モーターやバッテリーだけでなく、周辺機器やソフトウェアまでマカンからの流用が許されたとのこと。

 ですが、ポルシェにクルマは作れてもボートに関する知見はありません。そこで、船舶メーカーをパートナーに据えたのですが、これがポルシェ一族とゆかりのある「フラウシャー」でした。100年近く、オーストリアの地でボートを作り続けてきた老舗ブランドで、じつはポルシェ家とピエヒ家のためにボートを作ったこともたびたびあったとのこと。

 さすがに電動ボートは初めての挑戦でしたが、ポルシェとのコラボレーションは実験に終わることなく、しっかりと商品化されています。

 商品化にあたってeBoatはフラウシャーの既存モデルがベースに選ばれました。同社の主力モデル「858ファントムエア」という全長8.5メートル、全幅2.5メートルのスポーツボートで、バッテリーを含めた駆動システムのスペースやロングボディの安定性が決め手となったようです。なお、収容人数は最大9名と発表されています。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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