大雨に塩に鳥フンまで! クルマを襲う「自然災害」の恐怖から愛車を守る方法とは? (2/2ページ)

水害以外にも愛車を傷める原因はたくさん

 もうひとつ考えられるものとして「塩害」というのもあるだろう。海辺へひんぱんに行くサーファーや釣り人のクルマは、潮風にさらされ、海水まじりの水たまりの上を走ることなどにより、サビが発生しやすい。また、雪道や冬の北国の高速道路を走ることが多いクルマも、塩化ナトリウムなどを主成分とする融雪剤が車体に付着することで、サビが発生しやすい状態となる。

 これへの対策は「こまめに洗車すること」となるわけだが、新しめのクルマのボディには電着塗装でサビ止めが施されており、表面塗膜も厚いため、そう簡単にサビるものではない。

 しかし「下まわり」は黒色の塗料(シャーシブラック)が塗られている程度であるため、「塩害に強い」とまではいえない。そのため、海辺や冬場の北国へひんぱんに行くドライバーは、定期的にクルマの下まわりをしっかり洗うとともに、工場などにて下まわりを保護する特殊塗装を行うことも検討すべきだろう。

 そして、さらに考えられるのが「雹害(ひょうがい)」だろうか。

 雹とは「直径5mm以上の氷の粒が降ってくる」という自然現象だが、大きなもので直径50mm程度、つまりゴルフボール大の粒になることもある。そんな雹がクルマに当たってしまえば、ボコボコに傷やへこみができてしまうことはいうまでもない。

 しかし、車両保険に加入しているなら雹害は保険で補償される。雹やあられなどの自然災害による被害でも、車両保険を使うと翌年度は1等級ダウンし、事故有係数適用期間も1年加算される。そのため、車両保険を使うべきかどうかはケース・バイ・ケース。つまり、「被害の度合いによる」ともいえるが、基本的には保険を使ってサッと直してしまったほうが、その後は気分よく生きることができるだろう。

 また、そもそも雹害に遭わないためには、「雹やあられが降ってきたら、屋根がある場所に愛車を避難させる」「厚手のカーカバーや毛布などで衝撃を和らげる」といった方策を取るしかない。

 そして最後は「フン害」だろうか。気がついたら“鳥さんの落とし物”が愛車のボンネットやウインドウにこびりついていた……というアレである。

 愛車に鳥のフンが付いていると見た目的に難があるだけでなく、そのままにしておくと、フンに含まれている水分が蒸発して固くなり、除去が難しくなる。また、鳥のフンは酸性やアルカリ性のものもあり、付着してから時間がたつと塗装を傷め、シミになってしまうこともある。

 フン害の発生を確認したら、フンがまだ柔らかい状態であれば、ウエットティッシュや濡らしたティッシュで拭き取る。水分が蒸発して固くなってしまっている場合は、ゴシゴシこするとボディに傷がついてしまう可能性があるため、水をたっぷりかけるか、濡らしたタオルなどで鳥のフンを十分に柔らかくしてから除去するようにする。

 フロントガラスに鳥のフンがついた場合は、ワイパーで落とそうとすると汚れが広がってってしまうだけでなく、ワイパーブレードやウインドウを痛めてしまう恐れもある。そのため、窓ガラスに鳥のフンがついたときもボディと同様、水で濡らして柔らかくなってから、タオルなどで拭き取るようにしよう。

 そもそもフン害に遭わないようにするためには「鳥がよくとまる樹木や電線の下には愛車を停めない」という方策がしばしばいわれるが、これはあまり現実的ではないだろう。常にそう都合の良い駐車ポイントを選べるとは限らないからである。

「カーカバーをかける」という手段もあるが、自宅駐車場はさておき、出先でいちいちカーカバーを使うのも現実的ではない。

 となると、取れる手段は「ボディコーティングを施し、フンを除去しやすくしておく」ということと、「見つけたらなる早で除去する」ということぐらいになるだろうか。

 ちなみに英国のカー用品メーカー「Halfords」が行った調査によれば、「もっともフン害に遭いやすいボディカラーは赤」であるらしい。この調査がどのぐらい科学的に行われたものなのか、筆者は知らない。だが、筆者は最近「イグニッションレッド」というボディカラーのクルマに買い替えたところ、以前ガンメタ系のクルマに乗っていた頃よりも明らかにフン害に遭う頻度が高まってしまった……ような気がしている。

 科学的な見地からではなく印象だけに基づく意見ではあるが、「赤いクルマは買わないようにする」というのも、もしかしたらけっこう有効な“フン害回避策”なのかもしれない……。


伊達軍曹 DATE GUNSO

自動車ライター

愛車
スバル・レヴォーグ STI Sport EX
趣味
絵画制作
好きな有名人
町田 康

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