レジェンドって単なるオヤジセダンじゃないんだぜ! ソアラやレパードなんて目じゃないレジェンド・クーペの存在感 (2/2ページ)

アメリカでの大型クーペの人気凋落でレジェンドクーペも終了

 レジェンド2ドアハードトップは、セダンと比べて大きく傾斜したフロントウインドウや薄く長いフロントノーズ、大型のリヤクォーターウインドウが印象的。さらにサイドまでまわり込んだラップラウンドリヤウインドウなどにより、すっきりと伸びやかなフォルムとなっている。

 ボディサイズは全長4775×全幅1745×全高1370mmで、セダンと異なり全車が3ナンバー。とはいえ3ナンバーのセダンとも共通ではなく、全長は65mm短く、全幅は10mm狭く、全高は20mm低い。ホイールベースも4ドアは2760mmであるのに対して2ドアは2705mmへと短縮されている。

 いっぽうでリヤのトレッドは40mm拡幅され1500mmとなっており、2ドアモデルらしくロー&ワイド感を強調している。また、足まわりも2ドアハードトップは前後ともダブルウイッシュボーン式サスペンションを採用するなど、基本設計こそ両車で共有しているものの、多くの部分が2ドアモデルは専用開発という贅沢な内容となっている。

 フロントに横置き搭載されるエンジンはC27A型の2.7リッターV型6気筒SOHCで、最高出力180馬力/6000rpm、最大トルクは23.0kgm/4500rpmを発揮。トランスミッションは4速ATが組み合わされた。SOHCながら各気筒4バルブを備え、燃焼効率を最大限に高めるセンタープラグ方式を採用することで、高出力と低燃費を高次元で両立させていた。

 そして、フラッグシップモデルらしくインテリアも豪華だった。インパネには天然銘木を用いた本木目コンソールを採用したほか、シート表皮は100%ウールモケット素材、または本革という2種類の高級素材を使用。シート本体も長時間走行でも疲れにくい形状とし、電動の位置調整機構やドアの開閉に連動してシートベルトが取りやすい位置にセットされる、電動ベルトリーチャーを運転席に採用している。

 1980年代終盤に人気を博したスペシャリティクーペといえば、トヨタ・ソアラや日産レパードが有名だけれど、レジェンドはさらに1クラス上の車格となり、圧倒的な高級感を備えていた。それだけに車両価格も華やかで、2ドアハードトップは4ドアセダンの最上位モデルより約70万円も高い385万円とされた。

 その後、レジェンド2ドアハードトップは1988年と翌1989年にマイナーチェンジを受け、1990年に販売を終了。1991年1月には、フルモデルチェンジを受けた2代目モデルが登場した。そしてこの2代目モデルでは、車名が「レジェンドクーペ」へと変更された。

 しかし、レジェンドにとって日本国内以上に主要なマーケットであった北米市場では、ビッグサイズクーペの人気に少しずつ陰りが見えていたことなどもあり、レジェンドに2ドアモデルが設定されたのは2代目まで。1996年に登場した3代目レジェンドでは4ドアセダンのみとなった。


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