「気むずかしい」「エンジン始動すら大変」 旧車乗りだけが味わえる「それでも愛すべき」キャブレターの魅力6つ (1/2ページ)

この記事をまとめると

■インジェクション登場前に使用されていたキャブレターの魅力について語っている

■機構としての優位性はない

■クルマを自分でイジりたい人にとっては楽しめる

自分で交換したりセッティングの自由度の高さが魅力!

 旧車人気なのはご存じのとおりだが、その魅力でもあり、欠かせないのがキャブレターだ。現在はクルマでは絶滅、バイクでも絶滅寸前で、インジェクションにどんどんと置き換わっている。ベルヌーイの定理を利用しているもので、負圧によって混合気を作ってエンジンに送り込むといった、仕組みはよく見かけるのでここでは触れず。インジェクションとは違う味わいがどこにあるのかを整理してみた。

1)自分で替えられる

 インジェクションも大容量のものに交換することがあるが、コンピュータの書き換えなども含み、実質素人は無理。その点、キャブレターもある程度の習熟は必要だが、個人でもできる。組み合わせるマニホールドを用意すれば、口径を大きいもの(吸気量が増える)に替えたり、他ブランドのものへの交換が可能だ。

2)数を増やせる

 純正でもツインキャブをウリにしていたことからもわかるように、エンジンにひとつとは限らない。インジェクターでもシングルポイント(エンジンにひとつ)やマルチポイント(気筒分)はあるが、キャブの場合、かなり自由。ワンキャブはその名のとおり、エンジンにひとつで、ツインキャブはふたつ。ツインキャブで4気筒の場合はひとつあたり2気筒を担当することになる。

 またウェーバーやソレックスのように双胴タイプだと、ツインキャブでも実質、1気筒あたりひとつになって高効率を実現でき、スポーツカーだとこれを大々的にアピールした。また360ccの軽スポーツでも3キャブがあった。ただし、むやみに大きくするのはかぶるなどのトラブルが出るだけ。

3)セッティングの自由度が高い

 インジェクションが電子制御なら、キャブレターはアナログ。過渡期には電子制御キャブというのがあったが、基本的にはジェットと呼ばれる内部の部品に空いている穴の大きさを交換すると、燃料の流量が変えられてセッティングができる。チューニングした場合だけでなく、安全マージンを取った純正状態からさらに性能を引き出すために交換することもある。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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