ディーゼルは「オワコン」なんかじゃない! 「水素×ディーゼル」もアリのカーボンニュートラルに向けた可能性 (2/2ページ)

ディーゼルエンジンの可能性とは?

 ディーゼルエンジンには、さまざまな利点がありさらに技術革新が進めば、いまよりもっとクリーンでエコなパワーユニットとして利用される可能性がある。

 ガソリンエンジンを仕様変更して水素を燃料にして走る実験を、トヨタはモータースポーツを通じて行っているが、ディーゼルエンジンでも水素は燃やせる。シリンダーヘッドまわりをガソリンエンジン化(火花点火機関に変更する)することでも可能だが、それでは実質ガソリンエンジンと変わりないので、ディーゼルエンジンのままで対応する方法も必要だ。

 水素を自己着火させて制御するのは大変すぎる(発火点は570℃!)ので、現在開発が進められているのは、軽油も噴射して自己着火(軽油の発火点は250℃だ)させて、その炎で水素を燃焼させる方法が有力だ。

 水素だけでなく、ディーゼルエンジンは自然発火する燃料なら幅広く対応できるから、今後はさまざまな燃料が試されるだろう。欧州、とりわけイタリアでは植物から搾取した油を使ってディーゼルエンジンを稼働させるプラントがいくつもあり、トラックのディーゼルエンジンにも転用できる技術をすでに有している。

 食料(の確保)と競合しない植物による燃料利用も、カーボンニュートラルを実現するためには欠かせない方法のひとつなのだ。

 現在、食用廃油を回収して改質することで燃料油とするHVO(水素化植物油)が、バイオディーゼル燃料として利用され始めているが、これは航空機用のバイオ燃料であるSAF(持続可能な航空機燃料)と完全に競合していて、燃料として利用するにも限界があり、まったく足りないのが実情だ。

  

 水素も形を変えた電気利用であり、合成燃料も途方もなくエネルギーを費やして生成するので、コスト高は避けられない。しかし、微細藻類の培養などバイオディーゼル燃料の選択肢はほかにもあるのだ。

 そんなディーゼルエンジン車の、今後の技術革新に期待しよう。


新着情報