「走り屋」「アウトドア派」「サーフ&スノー派」全部に愛された! 初代セリカ・リフトバックのカッコ良さがいま見てもヤバい (1/2ページ)

この記事をまとめると

◾️初代トヨタ・セリカには3ドアファストバックの「LB」というモデルがあった

◾️セリカLBはルックスとラゲッジの使いやすさから若者に大人気だった

◾️いまでも旧車の世界で人気が高い1台だ

初代に追加されたセリカLBはいま見てもイケイケだった

 1970年代は深刻の一途を辿った大気汚染の防止のためのマスキー法による排ガス規制が強まった、世界中のクルマにとって受難の時代だった。しかし、日本国内では1960年代からのマイカーブームによって、1970年代は、1969年の東名高速道路全線開通もあり、自動車保有台数は1960年代から一気に急増。国産車でも魅力的な新車が続々と登場した時代でもあった。

 なかでも、筆者が免許取得年齢前に「コレ、カッコいい、いつかコレに乗りたい!!」と思わせてくれたのが、1970年にデビューしたトヨタ・セリカ(通称ダルマ)に1973年、追加された3ドアファストバックスタイルの2+2クーペ、トヨタ・セリカLB=リフトバックである(初披露は1971年の第17回東京モーターショー/SV-1)。車名はスペイン語で「天の」、「天空の」「天国のような」という意味をもっていた。

 初代セリカはトヨタ初のスペシャルティカーとして誕生し、フォード・マスタングのようにエンジン、ミッション、インテリアを自由に選べるフルチョイスシステムを用いたことでも有名で、とくにLBはダルマセリカとは一線を画す、初代フォード・マスタング・ファストバック(1965年に追加)を思わせるスタイリッシュさ、カッコよさ満点だった。

 パワーユニットはトヨタの資料によると3種類の1.6リッター、2種類の2リッターを用意し、とくに高性能版の2リッターDOHCエンジン(ソレックスキャブ仕様)を積む2000GTが人気の主役。ボディサイズは全長4215×全幅1620×全高1280mm。ホイールベース2425mm。車重は1040kg。18R-G型1968ccの水冷直列4気筒DOHCエンジンは145馬力/6400rpm、18.0kgm/5200rpm(もちろんJISグロス値)。

 ミッションは例のフルチョイスシステムによって3速AT、4速MT、ポルシェタイプの5速MTを用意。サスペンションはフロントがストラット、リヤが4リングリジット、駆動方式は当時の日本車として当たり前のFR(後輪駆動)、足もとは185/70HR13のラジアルタイヤというもので(小さ!)、最高速度205km/h、0-400m加速16.1秒と説明されていた。

※記載の数値はハイオク仕様。

 なお、2000GTは最高出力、最大トルクが異なるレギュラーガソリン仕様とハイオクガソリン仕様があったようだ。ステアリングは185タイヤによってズシリと重いノンパワーであった。

 そのファストバックスタイルの日本車らしからぬプロポーションの完成度、どこから見てもカッコいいデザイン性は、当時の筆者を始めとする多くの自動車ファンの憧れでもあったわけだ。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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