わずかなエアロの違いでこんなに変わる? しなるホイールで走りがここまで違う!? 「Modulo30周年」試乗会で感じたホンダアクセスの衝撃の実力!! (1/2ページ)

この記事をまとめると

ホンダアクセスが展開するブランド「Modulo」は2024年で30周年を迎える

■モビリティリゾートもてぎ内の特設コースにて歴代のパーツ装着車を試乗

ヴェゼルに用意された最新作のホイールをテストする機会も与えられた

Moduloブランドは今年で30周年!

 ホンダ車の純正アクセサリーパーツをリリースし続けているホンダアクセスは、1994年にModuloというブランドを立ち上げた。つまり、今年はちょうど30周年である。当初はアルミホールを製作するのみだったが、1995年に行われた車両法の規制緩和をきっかけに領域を拡大。サスペンションやエアロパーツを排出し続け、いまではModuloXというエンブレムを掲げたコンプリートカーの販売にまで漕ぎつけた。今回はそんなModuloの歴史を駆け足で振り返ってみる。

 Moduloが大切にしてきたのは単なるドレスアップの世界だけではない。じつは走りの質についてもこだわってきた。なかでも特徴的だったのは「実効空力」という開発思想だ。どんな速度域であったとしても、4つのタイヤの接地バランスを崩さずに出して行くというそのコンセプトは、ほかにはない走り味がたしかに存在していた。

 当時の開発者は「四輪で舵を切る感覚」だといっていたことが鮮明に筆者の記憶に残っている。周囲は「ダウンフォースこそがすべて」とばかりに、大きなエアロパーツを盛り込んだクルマが多かった時代であり、それこそが正義だと誰もが思っていた。けれどもModuloのクルマはその逆で、見た目からして大人しいものがほとんどだった。

 その具体例として際立っていたのがFD2型シビックタイプRのエアロパーツと足まわりだった。大きなリヤウイングは外されてダックテールに改められ、フロントもサイドもどこか大人びたデザインに改められていた。足まわりは10mmダウンのローダウンスプリングが組み込まれ、減衰力も調整式となっていた。走れば乗り心地は突き上げがなくなりマイルドに。ドライバーの操作次第でアンダーにもオーバーにもできる懐の深さがあった。

 エアロで抑えつけすぎず、4つのタイヤを動かせる余裕があったということなのだろう。それでも速さを失うことはなく、当時行ったツインリンクもてぎでのテストでは純正のタイムを破っていたほど。

 今回はそんなModuloの出発点となったS2000にまずは試乗する。これはのちにS2000の生誕20周年を記念して作られたものとは違い、発売直後にアクセサリーパーツとして販売されていたものを、当時のオリジナルパーツを集めて再現した車両だ。フロントアンダー、リヤストレーキ、そしてトランクスポイラーの3点を与えている。

 さらに、S2000発売後2年が経過した時に追加販売された、10mmのローダウンを可能とするスポーツサスペンションが装着されている。

 走れば初期型S2000の特徴であるピーキーな動きがかなり調教されており、かなり扱いやすい。当時オーナーだった身からすれば、「これを装着しておけばあんなに苦労せずに済んだか……」と後悔することしきりである。

 ただ、20周年記念のエアロはさらにフロントの接地感もあったし、リヤのコントロール性も高かったことも事実。時代の経過で進化していることを感じさせてくれた1台だった。

 もう1台の振り返り試乗はNSXだ。生誕20周年を記念して2011年に誕生したアイテムは、トランクスポイラーとスポーツサスペンション。それらをワインディングスペシャルとして存在していたタイプSに組み込んだ車両がこれだ。

 走ればオーバーステア傾向が強かった当時のタイプSを上手くニュートラルにした感覚がある。けれども安定しすぎてつまらないわけじゃない。このクルマもまた、ドライバー次第でどうにでも動かせる絶妙なサジ加減を持っていた。


新着情報