東京で開催された日本初の本格公道レース「東京E-Prix」! サーキットじゃなく公道でレースをやる意味はドコにあるのか?

この記事をまとめると

◾️今年の4月に日本で初めての本格的な公道レースが東京で開催された

◾️過去に国内での公道レースの案はあったがすべて頓挫してきた

◾️市街地レースのメリットは数多くある

市街地レースの魅力とは

 4月に開催された、世界フォーミュラE選手権「東京E-Prix」。日本では、ラリーなどを除いて、本格的なレースが市街地の公道を使って実施されたのは今回が初めてのことだ。

 市街地レースについてはこれまで、さまざまな実施案があったがどれも企画の初期段階でポシャってしまった。たとえば、横浜のみなとみらい地区を使うF1や、北海道の小樽市でのインディカーレースなどがあった。また、お台場でのF1についても企画があったようだ。

 いずれにしても、市街地レースに対して、レース主催者が地域の自治体や警察を説得するためのハードルはとても高かった。それが今回のフォーミュラEでは、東京都が全面的にバックアップ。決勝前のセレモニーには、なんと岸田首相がサプライズで登場し、政府公認の市街地レースというイメージを国内外に印象づけた。

 海外で市街地レースといえば、モナコが有名だ。そのほか、フォーミュラEやアメリカでのインディカーなどが各地で行われてきた。だが、市街地レースを実際に取材した経験からいえば、1度限り、または数回実施したが結局開催されなくなった市街地レースが少なくない。

 最大の理由は、レースマシンの走行音を騒音だとする苦情、また市街周辺での渋滞や路上での飲食によるゴミ問題などがある。

 その反面、市街地レースにはメリットもさまざまある。

 最大のメリットは、観客の移動が比較的、ラクだということ。一部のオーバルコースを除いて、ロードレースを行うサーキットは都市部からかなり離れた距離にある。それが市街地開催になると、公共交通機関を利用したアクセスが可能になる場合もある。

 東京E-Prixは、まさにその成功事例である。

 ただし、国や地域によっては、市街地の公共交通が発達していなかったり、または治安の問題で公共交通を使うことをためらう人がいる場合もある。

 開催の経費についても、企画の内容次第だが、仮設スタンドや仮設コンクリートウォールなどを効率的に運用すれば、協賛金やテレビ・ネット配信などの収入によって、レース開催コストを最適化することも可能だろう。常設サーキットの場合、市街地と比べてより多くの観客動員を見込めることが多いが、その分、固定費がかさむ。

 また、市街地レースのコース設定は、一般的には低・中速コーナーが主体となり、セーフティゾーンがほとんどなく、コースが狭くてパッシングポイントが少ないという欠点がある。ただし、高速コーナーが少ないことで、結果的に規模の大きな事故が発生する可能性も下がる傾向がある。これは、主催者にとっては保険や保障の観点からメリットだといえるだろう。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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