【試乗】3億超えの怪物EVハイパーカーを公道のワインディング貸し切りで爆走! 衝撃しかないピニンファリーナ・バッティスタの走りとは (1/3ページ)

この記事をまとめると

■ピニンファリーナからバッティスタEVが登場

■創設者の夢を現在のスタッフが叶えた

■試乗インプレッションをお届けする

創設者の夢をEVで実現!

 カーデザインの老舗として知られるイタリアのピニンファリーナ社。イタリアン・カロッツェリアとしてもっとも有名なカーデザイン会社だが、その創設者であるバッティスタ・ファリーナは、いつの日かコンプリートカーを世に送り出すことを夢見ていたという。そのためには、世代の革新的な変化、あるいは技術革新が行われるであろうタイミングを好機と考え、そんな時代の到来を求めていたという。

 今回試乗リポートするのは、バッティスタ氏が夢見たクルマを、1966年にこの世を去ったバッティスタに代わり、現在のピニンファリーナ社スタッフが総力を上げて開発をしたという「バッティスタEV」である。

 バッティスタEVは、2020年にその開発の存在が明らかになり、その行方に世界中の自動車メーカーも注目していた次世代型ハイパーカーである。バッティスタ氏が求めていた時代の変革と技術の革新は、ICEから EVに切り替わるといういま、このタイミングをおいてほかにないという判断のもと開発が進められたという。

 ピニンファリーナ社は、すでに世界的にも知ら知られる最新鋭の風洞実験装置を備えていて、自動車メーカーとのかかわりがデザインだけでなく技術開発にも及び始めているという。こうしたバックグラウンドの経営状況も多分に影響していると思われる。

 今回のEVハイパーカー・ピニンファリーナ・バッティスタは、ピニンファリーナ社が2015年にインドのマヒンドラ社傘下となり、潤沢な開発資金を獲得できたことも好機といえた。プラットフォームおよびサスペンション、パワートレインなどは独の自動車メーカーが開発コンポーネントを共有し、車体外装のボディデザイン、空力特性、そして内装などをおもにピニンファリーナ社が手がけたという。ただ、走り味に関しては、ピニンファリーナ社に所属するテストドライバーがテイストを授けているという。

 ピニンファリーナ・バッティスタはEVのスーパーハイパーカーを名乗るだけあり、そのパワースペックは突出している。最高出力は1900馬力! 最大トルク2340Nm! というかつて経験したこともないような強大な出力スペックが授けられており、それを4輪個別のモーターを制御して4輪駆動AWDとして成立させているのだ。

 バッテリーはリチウムイオンで120kWhという巨大な容量で搭載。そのマウント方法は、フロントのキックボードからセンタートンネル、そしてリヤバルクヘッド位置にH字型で配置されている。従来のEVに見られるフロア全体に水平マウントしたものとは異なっている。H字型配列とすることによりドライバーとパッセンジャーシートをその窪み部分に設置することが可能となり、ヒップポイントを下げることに成功している。

 全長は4912mm、全幅2240mm、ホイールベース2745mmというサイズ感。全高は1214mmと低い。デザイン的には前後オーバーハングが大きくとられ、空力特性に優れたものとしていることがうかがえる。

 試乗車の外見はルーフ部が白く塗られ、そして車体は深いディープブルーのツートーンカラーに色わけされているが、これはピニンファリーナ・バッティスタ氏が通勤や日常の足として使用していたというランチア・フロリダのカラーリングをオマージュしている。

 実車を目にすると、その迫力に圧倒される。さまざまなハイパーカーやスーパーカーがあるなかで、デザイン的に洗練されており、カーデザイン会社としての実力を存分に見せつけるインパクトが与えられている。

 左右ドアは跳ね上げるバタフライタイプで、モノコックのサイドシル奥深くにコクピットがある。車体はすべてオールカーボンで作られていて、現代の衝突安全基準をクリアし、操縦性に寄与する高剛性とデザインの自由度を上手く利用している。

 車体テール部分には空力特性を変化させる電動可動式のウイングスポイラーが備わり、ドライブモードによってその角度や可動域が変化するという。最高速度時に最大450kgのダウンフォースを車体重心部分に発生させ、高速での車体リフトを押さえ込む優れた空力デザインがなされているというのである。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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