「知らなかった」自動車保険の同じ等級でも割引率に違いが出る! 事故の修理でも保険を「使わない」ほうが得するケースとは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■クルマを公道で走らせる際は自賠責保険の加入が義務付けられている

■自賠責保険の補償範囲は狭いので多くの人は任意保険に加入している

■任意保険の等級は事故を起こすと翌年下がり割引率も少なくなる

意外と知らない任意保険の等級の仕組み

 自動車保険には、加入が義務付けられた自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)と、ユーザーの希望に応じて加入する任意保険がある。

 注意したいのは自賠責保険の賠償範囲だ。

 自賠責は対人賠償に限られ、自車の乗員や車両に生じた損害、相手の車両や建物などに与えた損害は補償されない。しかも、自賠責保険金額は、相手が死亡した場合で最高3000万円、後遺障害でも最高4000万円、傷害は最高120万円と少額だ。事故では1億円を超える判決が下ることもあるから、自賠責保険では明らかに補償が足りない。

 そこで任意保険の加入が常識になった。対人賠償や対物賠償は無制限に入り、自車に乗車中のケガなどを補償する人身傷害も必須だ。必要に応じて、自分の車両に生じた損害を補償する車両保険にも加入する方がいいだろう。

 そんな任意保険で難解なのは、保険を使うと、その後に納める保険料が高まることだ。等級制度に基づき、1等級から20等級まであり、最初の契約は6等級となる。

 この後、1年間無事故(保険を使わないこと)で過ごすと7等級に上がり、保険料が安くなる。その後も無事故を続けると、順次等級が高まって保険料は下がり、最終的には保険料がもっとも安い20等級に達する。20等級以上はない。

 逆に、事故の加害者になって保険を使うと等級が下がる。人身事故による対人賠償、物損事故による対物賠償、自分の車両を破損した車両保険を使うと3等級下がる。ボディに落書きをされたり、ウインドウを飛び石などで破損した、台風で水没した(地震や津波を除く)といった理由で保険を使うと1等級下がる。その一方で、ロードサービスの使用など、保険を使いながら等級に影響しないケースもある。

 ただし、保険を使って等級を下げても、1年間無事故であれば等級が上がって保険料は下がる。ただし、事故を起こさずに等級が高まったときとは、割引率が異なる。


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渡辺陽一郎 WATANABE YOICHIRO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ(2010年式)
趣味
13歳まで住んでいた関内駅近くの4階建てアパートでロケが行われた映画を集めること(夜霧よ今夜も有難う、霧笛が俺を呼んでいるなど)
好きな有名人
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