そういえばほぼ見かけないけどナゼ? カッコイイと評判の「現行プリウス」のタクシーがあまり走っていないワケ

この記事をまとめると

■国内外で人気の高いプリウスであるがタクシー車両として見かけることが減った

■プリウスは燃費に優れるが後席への乗り降りのしにくさと居住性の悪さがネック

■後席の居住性や快適性に優れたJPNタクシーやミニバンに取って代わられてしまった

プリウスのタクシー仕様を見かけないのはなぜ?

 燃費性能がいいクルマとして知られているだけでなく、国内外問わず人気が高いプリウス。一般ユーザーに広く浸透しているものの、タクシー車両として見かけることが少なくなりました。今回は、プリウスがタクシー車両として見かけなくなった理由を解説します。

プリウスは燃費がいいクルマだが……

 ハイブリッドカーの代名詞ともいえるプリウスは、優れた燃費性能が特徴のクルマです。そのため、1日の走行距離が長いタクシーにとっても都合がいいクルマであることは間違いありません。

 ただ、空力性能に優れるスタイルを採用しているプリウスは、トールワゴンやミニバンなど全高が高いクルマと比べると、乗り降りがしにくく、居住性もよくないという点がネックです。

 この乗り降りのしにくさと居住性の悪さが、タクシーを利用する乗客からの不満に繋がり、プリウスタクシーは徐々に姿を消していきました。

 また、プリウスを製造しているトヨタから、トールワゴンのタクシー用車両「ジャパンタクシー(JPN TAXI)」が発売されたことも、プリウスタクシー減少に拍車をかけたといえるでしょう。

 ジャパンタクシーは、ハイブリッドシステムを搭載するトールワゴンタイプのタクシー用車両。ハイブリッドカーの燃費性能の高さとトールワゴンならではの頭上空間の広さや居住性のよさなどにより、いまや定番のタクシーとなっています。

 その他にも、アルヴェルやノアヴォクをはじめとするミニバンのタクシーが増えたことも、セダンタイプのタクシーが減少した理由のひとつといえるでしょう。

 時代とともに乗客がタクシーに求める要望が変化したことに合わせて、タクシー車両も変化した結果、低燃費がウリのプリウスタクシーを見かけなくなかったといえます。

乗客のことを考えている機能的なジャパンタクシー(JPN TAXI)

 現在のタクシーの主流であるジャパンタクシー(JPN TAXI)は、タクシー用車両というだけあって、後席の居住性や快適性に優れていることがポイントです。

 乗客が乗る後席への乗り降りは、開口部が広くとれるスライドドアを採用し、乗客が複数人乗るときに奥(助手席側から運転席側)へ移動しやすいようほぼフラットな床面になっています。

 また、乗客が利用できるUSBポート、読書灯、リヤの足もとイルミネーション、天井サーキュレーター(上級グレードに標準装備)など、より快適に過ごせるような工夫がされています。

 このような快適性を追求した装備や乗り降りのしやすさを備えるジャパンタクシーとプリウスを比べた場合、ジャパンタクシーのほうがタクシーに向いているのは明らかです。

時代とともに変化するタクシー事情

 タクシーとして利用される車両は、かつてクラウンコンフォートをはじめとするセダンが主流でした。しかし、近年では、乗客が移動の快適性を重視する傾向にあるため、トールワゴンやミニバンが主流となっています。

 乗客のニーズの変化に合わせて、タクシーとして利用される車両も変化していき、セダンからトールワゴンやミニバンにシフトしていった結果、燃費性能に優れるプリウスのタクシーを見かけることがなくなったといえるでしょう。


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齊藤優太 SAITO YUTA

ライター/インストラクター/ジャーナリスト

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