この記事をまとめると ■スーパーGTの最高峰であるGT500クラスには「トヨタ・日産・ホンダ」が参戦している
■3社ともに共通のモノコックに共通の空力パーツやエンジンを採用しており差が少ない
■市販車と同じパーツを採用している場所はごくわずかでほとんどないといえる
レース専用マシンから市販車と同じ部品を探せ! 日本で最大級の人気を誇るレースシリーズ、スーパーGT第2戦「FUJI GT 3 HOURS RACE GW SPECIAL」が5月3〜4日、富士スピードウェイを舞台に開催。
晴天の空の下、GT500クラス、GT300クラスともに激しいポジション争いが展開され、TGR TEAM KeePer CERUMOで38号車「KeePer CERUMO GR Supra」を駆る石浦宏明選手/大湯都史樹選手がGT500クラス、VELOREXで6号車「UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI」を駆る片山義章選手/ロベルト・メリ・ムンタン選手がGT300クラスを制した。
スーパーGT第2戦「FUJI GT 3 HOURS RACE GW SPECIAL」の表彰台 画像はこちら
それにしても長丁場のレースであるだけに、両クラスともにドラマチックな展開だったが、それ以上にファンを沸かせていたのが、やはり最高峰のGT500クラスのスピードだといえるだろう。
ご存じのとおり、GT500クラスにはトヨタ、日産、ホンダの3メーカーが参入し、それぞれ「トヨタ GRスープラGT500」、「日産 Z NISMO GT500」、「ホンダ・シビック タイプR-GT」の最新モデルを投入。タイヤもブリヂストン、ヨコハマ、ダンロップの3メーカーが集結するなど、ハード面での開発競争が行われていることから、まさに近年のGT500クラスはひと昔前のフォーミュラカーを凌駕するスピードであり、“世界最速のGTカー”と謳われるほど抜群のパフォーマンスを誇る。
スーパーGT第2戦「FUJI GT 3 HOURS RACE GW SPECIAL」の様子 画像はこちら
当然、マシンも名前こそ市販モデルとほぼ同じとなっているが、中身は完全にレース専用モデルで、3メーカーともに共通のモノコックを採用。エンジンもNRE(ニッポン・レース・エンジン)と呼ばれるレース専用ユニットで、各社ともに2リッターの直列4気筒の直噴ターボが搭載されるなど、市販モデルとはまったく別物の仕上がりだ。
GT500マシンに搭載されるNRE 画像はこちら
もちろん、エアロデバイスもレース専用パーツで、GRスープラGT500はGRスープラ、日産 Z NISMO GT500はZ、ホンダ・シビック タイプR-GTはシビック タイプRをベースにしながらも、フロントスポイラーやアンダーフロア、リヤディフューザーなどは指定の形状を採用。リヤウイングは共通部品となっているものの、車体下方は独自の開発が行えることから、前後のバンパーやフェンダーが各メーカーともに個性的な仕上がりだといえる。
スーパーGT第2戦「FUJI GT 3 HOURS RACE GW SPECIAL」の様子 画像はこちら
このようにGT500クラスのマシンは完全にレース専用の仕様で、ベース車両との共通点はほとんどないのが現状である。
各マシンのデビュー戦で市販モデルとの共通部品を確認した際には、GRスープラGT500はドアノブ(2020年)、Z NISMO GT500はヘッドライトとテールランプ(2022年)、そしてシビック タイプR-GTはエンブレム(2024年)といった状態で、シルエットや雰囲気はベース車両のイメージだが、GT500車両はまったく異なるクルマなのだ。
GT500 12号車のヘッドライト 画像はこちら
まさにGT500車両は究極のGTマシンで、世界的にみても注目度の高いレーシングカーとなっている。